オバンコールのギターを解説。ローズウッドに近い音質の木材

森

ぎたすけ

ギターの木材は色々あるけど、オバンコールって聞いたことないな。何のギターに使われてるの?

たけしゃん

アコギだとTaylor 400シリーズが一番メジャーかな。結構良い音なんだけど認知度低い木材だね
この記事でわかること
  • オバンコールの特徴
  • オバンコールを使った代表的なギター
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音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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オバンコール

広葉樹

  • 主にギターのサイド&バック、指板、ブリッジに使われている
  • 西アフリカが主要産地
  • 木目や音質はインディアン・ローズウッドに近い

オバンコールはマメ科ギボーティア属の広葉樹。

ウクレレなどに良く使われており、数は多くないもののアコギやクラシックギターにも使われています。

ローズウッドに近い性質ですが、価格がローズウッドよりはやや安いです。

 

オバンコールは褐色をベースに黄緑や黒緑の縞模様の木目が特徴的な木材です。

※オバンコールのTaylor 414ce

ローズウッドと木目のパターンは似てますが、オバンコールのほうが明るいですね。

 

ちなみにローズウッドはこんな感じ。

814ce 背面

※ローズウッドのTaylor 814ce

ローズウッドのほうがシックな雰囲気ですね。

 

音質はローズウッドに近い…と言われています。

弾いて見ると、煌びやかでバランスが良い点は一緒ですがオバンコールは中高音が堅めで明るい音になっており、伸びはあまりありません。

ローズウッドとコアの中間的な音質です。

Taylor 414CE V Class - Acoustic Review

どのジャンルでもオールマイティにいけそうな音質なので、使いやすい木材ですね。

Taylor 400シリーズもプロ・アマ問わずに人気な機種ですが納得ですね。

 

オバンコールを使った代表的なアコギ

ギター弾く人

たけしゃん

オバンコールを使ってアコギを作っているギターメーカーはまだまだ少ないです

オバンコールをサイド&バックにアコギを製作しているメーカーは少なく、レギュラーラインナップで使っているのはTaylorくらいです。

また、Fenderが指板・ブリッジにオバンコールを使っています。

 

あとは数量限定のリミテッドエディションとしてTakamineやK.Yairiがたまに作るくらいなものです。

なので、オバンコールを触ってみたい…という人はTaylor 414ceを試すのが良いでしょうね。

Taylor 414ce

  • トップ:シトカ・スプルース
  • サイド&バック:オバンコール
  • Taylorギターの中でも200、300シリーズと並んで人気のエレアコ

サイド&バックにオバンコールを使った代表的なエレアコ、Taylor 414ceです。

プロアーティストだとミック・ジャガーが使っていることで有名な機種ですね。

 

音質はバランスよく煌びやかな鳴り方をします。

中高音が強めで硬めの音なので、伸びはしませんが存在感はあって歯切れが良いです。

 

ピックアップはTaylor独自のES2が搭載されています。

ES2

ボディ上部に3つ(Volume/Treble/Bass)ついており、プラスしてボディ内部にフェイズスイッチがついています。

そして、音を拾うピックアップは3つのピエゾで構成されています。

 

Taylorのピックアップは音質が良いことで定評があるため、ライブで使う本格的なエレアコを探している方にはハマるギターです。

Taylor 414ce V-Class Series エレクトリックアコースティックギター
Taylor

FENDER  PM-4CE AUDITORIUM LIMITED

  • トップ:シトカ・スプルース
  • サイド&バック:マホガニー
  • 指板&ブリッジ:オバンコール
  • Fenderアコギの最上位モデル

通常のFenderアコギは指板&ブリッジにローズウッドやエボニーを使っていますが、オバンコールを使ったモデルがPM-4CE AUDITORIUM LIMITED

 

オバンコールを使っている…と言ってもメインどころのサイド&バックはマホガニーなので、Taylor 414ceとは全然違います。

PM-4CEはFenderアコギの中でも最上位モデルですが、10万円程度で買えます。

 

ボディサイズもオーディトリアムと少し小さめでレスポンスが良いギターなので、使いやすいエレアコです。

K.Yairi YW-K7-OVA VS

  • トップ:スプルース単板
  • サイド&バック:オバンコール合板
  • 専用ギグケース付き

国内ギターメーカーのK.Yairiが作るオバンコールアコギ、YW-K7-OVA VS

ピックガードが変わった感じの色になっており、ボディの色合いと相まって渋めのルックスに仕上がっています。

 

サイド&バックには合板のオバンコールラミネーターを用いており、実売価格は7~8万円くらいとオバンコールを使ったアコギの中では安めになっています。

K.Yairiギターは永久保証がついてくるので長く安心して使えるのもうれしい点ですね。

 

オバンコールについて まとめ

まとめ

  • オバンコールはギターのサイド&バック、指板、ブリッジに使われている
  • 音質や性質はローズウッドに近い
  • アコギで使われている事例はまだまだ少ない

ぎたすけ

オバンコールってローズウッドに近いって言っても音質はそれなりに違うんだよな

たけしゃん

うん、弾いた感じはオバンコールのほうが堅めの音でそれなりに違う印象を受けたね。といっても、オバンコールも使いやすそうな音質だよ

オバンコールの解説でした!

今のところ、オバンコールのアコギといえばTaylor 414ceのイメージがダントツで強いですね。

 

ちなみにオバンコール自体も国際自然保護連合の危急種に指定されています。

ローズウッドが枯渇しても、代替として大量生産はされなそうです。

なので、今後もリミテッドエディションとして作られるのが主流っぽいですね。

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