Martin D-18とはどんなギターなのか?年代別にD-18の仕様を解説 -有名アコギ解説シリーズー

Martin D-18 解説

ぎたすけ

Martin D-18って良く聞くけどD-28との違いがわからないよな

たけしゃん

そうなんだよね。D-18もほんとに良いギターなんだけど、D-28のダウングレード版みたいな間違ったイメージがある気がするんだよ
この記事でわかること
  • Martin D-18の特徴
  • 年代別のMartin D-18の特徴
  • Martin D-18の主な使用アーティスト

Martin D-18

1931年にMartin D-28と同時に製造開始された、Martin D-18

当初は12フレットジョイントで製造されており、1934年から14フレットジョイントのものが製造され始めました。

フレットジョイント
フレットとボディ上部が重なる位置のこと。ドレッドノートは14フレットジョイントが多い

 

D-18D-28の違いはサイド&バックの木材です。

D-28はローズウッドを使用しており、D-18はマホガニーを使用しています。

マホガニーというとGibsonのイメージが強いのですが、Martinはローズウッド・マホガニーそれぞれに名機があるわけですね。

 

D-18は同じマホガニー材を使用しているはGibsonギターより、低音がドッシリとして全体的に落ち着いた音です。

かき鳴らすと味がでるGibsonギターとは違ったキャラクターで、スリーフィンガーでしっとり弾いても良い味がでますね。

 

まずはD-18の仕様について、2019年3月現在に公式HPで紹介されているスペックを解説していきます。

Martin D-18 ボディの形状

  • 全長 40.25インチ
  • スケール長 25.4インチ
  • ボディ幅 15.6インチ
  • ボディ長 20インチ
  • ナット幅 44.5mm

(参考)ギターの寸法用語

ギターの寸法用語

D-18はアコースティックギターの標準ともいえる、Martin伝統の14フレットジョイントのドレッドノート。

 

ドレッドノートは低音が力強く、生音の音量が出るボディサイズです。

弾き語りから、バンドのボーカルギター、ソロギターまで何でもこなす万能選手です。

 

また、基本的にはD-28とサイズ感は一緒ですが、D-18はナット幅が44.5mmと太めです。

MEMO
現行のD-28のナット幅は42.8mm

昔のMartin Dシリーズはナット幅44.5mmが標準だったので、変わらず…ということなんでしょう。

親指で6弦を押弦することが多い人はややシンドイかもしれませんね。

Martin D-18 木材

  • トップ材:シトカスプルース
  • サイド&バック:ダーク・マホガニー
  • ネック:セレクトハードウッド
  • フィンガーボード:エボニー
  • フィニッシュ:グロス

ネックのセレクトハードウッドは中身が何かは非公開のようです。

以前はネックにマホガニーが使われていました。

マホガニー自体の供給が足りないので、マホガニーの他にシダーなどの木材も組み合わせてるため、セレクトという表記になったと…某マーチン専門店の方から聞きました。

 

その他の木材としてはサイド&バックがダーク・マホガニーであることが特徴。

音のレスポンスが良く、箱鳴り感が強いバランス良い出音です。

 

D-18というと、どっしりした低音の鳴りが特徴ですが、新品ギターだとあまり感じられません。

ヴィンテージギターだと乾いた音とどっしりした低音が強く出ており、D-18は新品とヴィンテージのキャラクターの違いが大きいギターでもあります。

低音が効きすぎても困る…という方は新品が良いので、どちらが良いかと言うと好みによります。

ピックアップ

ピックアップは標準ではついていません。

オプションでMartinとFishmanが共同開発した、MARTIN Thinline 332+Plusが付いたモデルも選択できます。

ピエゾタイプのピックアップで音はおとなしめです。

弾き語りで使うなら、ピックアップ非搭載モデルを買ってデュアルピックアップを後付けしたほうが使いやすくはありますね。

【参考記事】アコギ用ピックアップ おすすめ17機種をレビューする

Martin D-18 年代別の変化

駅の時計

たけしゃん

D-18はD-28と一緒に時代の荒波にのって仕様変更してきました。ヴィンテージギターもD-28より比較的買い求めやすい値段です

1931年より製造され、世界のトップアーティストに使用され続けている D-18

現在にいたるまで世界恐慌であったり、戦争であったり…時代の荒波に乗って仕様も変化してきました。

本章ではそんな歴史の長い、D-18を年代ごとに切り取って仕様を解説していきます。

 

D-28は1960年代までサイド&バックにブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)を使用している関係でヴィンテージギターの値段が非常に高いです。

MEMO
ハカランダは輸入制限がかかっており、現在では入手困難なため価格が高騰している

しかし、D-18はサイド&バックがマホガニーなので1960年代以前のギターも比較的、手が出せなくもない値段で販売されています。

しかも、乾いた音とどっしりとした低音で非常に魅力的な音。

 

ヴィンテージギター購入を考えている方には本章の仕様変更解説は非常に参考になるはず。

ぜひ、各年代の違いを理解してギター選びを楽しんでいただきたい。

1930年代

Martin D-18 Authentic 1939

  • トップ材:アディロンダック・スプルース
  • サイド&バック:マホガニー

1931年に12フレットジョイントのD-18が製造開始され、1930年代は徐々に仕様が変化していきます。

1930年代の主な仕様変化

  • 1934年…14フレットジョイントになる
  • 1938年…トップ・プレート・ブレース(トップ裏側の補強板)がつく
  • 1939年…Xブレーシングのクロス位置がホールから遠くなる
  • 1939年…ナット幅が44.5mmから43mmになる

…といった変化。

現在、新品で販売されているD-18はナット幅 44.5mm仕様ですが1939年製から、しばらくは43mm(レプリカモデルは42.8mm)と細めのネックになります。

 

1930年代ものは市場でもなかなか、お目にかかれずメインで販売されているレプリカモデルです。

なかでも取り扱いがそこそこ多いものが、Martin D-18 Authentic 1939

1939年製のD-18を再現したモデルなので、Xブレーシングのクロス位置がややホール遠方でナット幅も42.8mmとなっています。

 

枯れた音はさすがにしないものの低音の響きもどっしりしており、音のレスポンスも良いです。

ギターマニアにも好評らしいですが、なかなか良いレプリカモデルです。

1940年代

  • トップ材:アディロンダック・スプルース
  • サイド&バック:マホガニー

1940年代は大戦中で、金属中心に素材供給が制限されている時代。

供給される素材でやれることを…と環境に合わせた仕様変更が多数発生しています。

1940年代の主な仕様変化

  • 1942年…ネック補強材がスティールからエボニーに変わる
  • 1944年…ブレイシングがスキャロップドからノンスキャロップドに変わる
  • 1946年…トップ材のスプルースがアディロンダックからシトカに変わる
  • 1946年…ネック補強材がスティールに戻る
  • 1946年…指板、ブリッジがエボニーからハカランダに変わる
  • 1947年…バックの模様がジグザグからチェックに変わる

大きな仕様変更としてはスプルースがアディロンダックからシトカに変わったことです。

この先はずっとシトカ・スプルースがレギュラー仕様になります。

 

また、細かいところで1947年のバックの模様の変更があります。

ギターボディのバック中央にある縦線の模様のことです。

D-28 Back

1940年代のD-18は都内なら数本は見つかりますが、探さないと出会えないレア度です。

値段も100万円以上するものが多いですね。

1950年代

  • トップ材:シトカ・スプルース
  • サイド&バック:マホガニー

1950年代は世界的にロックスターが活躍した時代。

代表的なアーティストである、エルヴィス・プレスリーが1942年製 D-18を使用していました。

 

1950年代は仕様変更も少なく、品質的にも安定してD-18が製造・販売されていた時代です。

1950年代後半には1960年代に起こるフォークブームの前兆がきており、販売台数も上がっていたそうです。

 

1946年後半に指板・ブリッジがエボニーからハカランダに変わり、1950年代のD-18はハカランダ仕様が中心となっています。

ハカランダの指板・ぶり維持は音が軽快で明るい良好な音質ですが、ハカランダの影響か1950年代のD-18も70万円以上するものが大半です。

1960年代

Martin D-18 1967

  • トップ材:シトカ・スプルース
  • サイド&バック:マホガニー

1960年代はフォーク・ブルーグラスブームが到来した時代。

Martinギターは売れに売れて、D-18も非常に多くのプレイヤーが使用していました。

 

1950年代から大きな仕様変更もなく、1960年代後半まで細かい仕様変更がなされていきます。

1960年代の主な仕様変化

  • 1964年…ブリッジピンの位置が1.6mm後方へ移動
  • 1965年…サドルの長さが短くなる
  • 1966年…ピックガードがべっ甲柄から黒に変わる
  • 1967年…ネック補強材がTバーからスクウェアロッドに変わる
  • 1968年…ブリッジプレートがメイプルからローズウッドに変わる

1969年にブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)の輸出制限によって、D-28はサイド&バック材に変更がありました。

しかし、D-18のサイド&バック材はマホガニーであったため、影響はありませんでした。

 

1960年代のD-18は人気と共に生産量も比較的多く、現在でもヴィンテージ市場で見かけることが多いです。

また、D-28と異なりハカランダの使用量が少ないため、値段も30~50万円で買えるものが多く人気も高いです。

1970年代

Martin D-18 1975

  • トップ材:シトカ・スプルース
  • サイド&バック:マホガニー

1970年代に入っても、D-18はサイド&バック材がマホガニーのためボディ木材の変更はありません。

ただ、ボディの構造や細かい変更はボディ木材の変更があったD-28と同様に変更されています。

 

具体的にはブリッジのサイズがやや大きくなり、1975年からナット・サドルの材がミカルタに変更されました。

1960年代にMartinギターが大量に売れたものの、クレームも多くなり丈夫さに重点を置いた結果の仕様変更です。

 

現在、扱われている1970年代のヴィンテージギターは1960年代に比べて値段が下がります。

サイド&バック材が変更になったD-28はわかりますが、大して変わっていないD-18も一気に下がるんですよね。

なので、1970年代製のD-18で鳴るギターを探すと掘り出し物が見つかるかもしれません。

Martin D-18の主な使用アーティスト

D-18の使用者

  • 岩沢厚治(ゆず)
  • エルヴィス・プレスリー
  • 斉藤ジョニー(Goose house)
  • チチ松村(ゴンチチ)
  • ポール・サイモン
  • 堀込泰行(キリンジ)
  • 森山直太朗
  • 吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)

Goose houseの斉藤ジョニーさんは2008年製のD-18GEを使用されています。

D-18GE
1934年製 D-18の復刻版。GEはGolden Era(黄金時代)の略。1930年代をMartinは黄金時代と呼んでいる

以前、雑誌の企画でD-18、D-28愛用者が集まって互いに良さを議論するというものがあり、斉藤ジョニーさんが参加されていました。

D-18を選んだ理由は最初に弾きこんだギターがマホガニーで、D-28よりマホガニーのD-18のほうがしっくりきたから…だそうです。

 

D-18、D-28の両方使っている方も多いですが、優劣はなくキャラクターの違い…という所感なんですよね。

なので、D-18、D-28共に素晴らしいギターなわけです。

Martin D-18を解説して

部屋とアコースティックギター

ぎたすけ

へぇ、D-28のイメージが強いけどD-18も負けないくらい良いギターなんだな

たけしゃん

そうなんだよ。しかも、比較的買いやすいヴィンテージギターってところがD-18の良いところだよね

Martin D-18の解説でした!

個体差があるのでザックリですが、年代ごとに市場でよくある金額間をまとめると…。

D-18の年代別 ザックリな金額間

…とこんな感じですかね。

 

人気なのはやはり、1960年代 D-18ですね。

1970年代 D-18は値段が下がる割に特別質が悪くなるわけでもないので、掘り出し物を探すならおすすめな年代ですね。

 

新品もヴィンテージもそれぞれに良さがあり、ギター選びの幅が広いのがMartin D-18です。

色んな種類のギターを弾いて、違いを楽しみながら選びましょう。

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