アコギのオクターブチューニングを覚えて、ギターのコンディションを確認できるようになろう

ハーモニクスの音を鳴らす

ぎたすけ

オクターブチューニングってチューニングの種類のこと?

たけしゃん

そうだよ。チューニングを合わせるんじゃなくて、ギターの状態を見るための方法だね
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
プロフィール詳細お問い合わせ

オクターブチューニングとは

ハーモニクスを出す時はフレット直上の弦を軽く触れる

オクターブチューニングとは開放弦と押弦した状態でのチューニングを確認する手法です。

開放弦

フレットを押さえずに弦を鳴らした音

ネックの反り、サドルの変形などが原因で開放弦と押弦した状態で音にズレが生じます。

アコースティックギターのネック部分を斜めから撮った

開放弦と押弦したときの音がズレていると、コードを鳴らした時に微妙なズレが発生します。

そして、いくらチューニングを合わせても、このズレは解消できません。

とはいえ、明らかなズレを感じるまで放置しておくと修理も大変になります。

ギターをチューニングしている写真

そこで、オクターブチューニングを定期的に確認することでギターの状態を確かめることができるわけです。

自身のギターの状態を確認する以外にも、中古ギターを買う際なども役立つなどやり方を覚えましょう。

audio technica AT-UMX3のバナー(PC)PR

オクターブチューニングのやり方

チューニングを合わせる

チューナーを使って、各弦のチューニングを合わせます。

ギターをチューニングしているところ
ハーモニクスを鳴らす

各弦で12Fのハーモニクスを鳴らします

ハーモニクスの出し方
12Fを押弦する

12Fを押弦して音を鳴らし、ハーモニクスとのズレを確認する

ハーモニクスの音を鳴らす

ハーモニクスはポーンと高い音が鳴ります。

ハーモニクスの出し方

ハーモニクスの音

ハーモニクスと12Fを押弦した音とのズレはチューナーを使って確認すると良いでしょう。

mw-2058でEのチューニングがあった時の画面

なお、ハーモニクスと12Fを押弦した音は完全には合いません。

少しズレている状態で正常です。

なので、音の響き的に違和感がないか、耳で聞いて判断することも重要です。

Taylorのエレアコを弾いている男性

オクターブチューニングの確認は毎日やる必要はないですが、季節の変わり目などにやるといいでしょう。

また、弦を長期間張っていると弦が伸びてきてオクターブチューニングがズレてきます。

アコースティックギターのネック部分を正面から撮った

なので、コーティング弦などを長期張っている人は先に弦交換してから、オクターブチューニングを確認しましょう。

 

アコギのオクターブ調整

アコースティックギターに弦を張っているところ

アコギでオクターブチューニングが狂う原因は主に以下の点が考えられます。

  • ネックが反っている
  • サドルの山が消耗して変形している
  • 弦が伸びている

オクターブチューニングがわかりやすくズレるときは大体、複合的な要因であることが多いです。

ネックの反りが疑われる場合は自身でトラスロッドを回して調整してみるのも良いでしょう。

アコギのトラスロッドを回しているところ
トラスロッド

ギターに内蔵された金属の棒。トラスロッドを回すことでネックの反りを調整できる

ギターのネックは反る方向によって、順反りと逆反りに分かれます。

ギターのネックの反り。順反りと逆反りを図で解説
項目状態
順反りネック中程(7~12F)が
下がるように曲がった状態
逆反りネック中程(7~12F)が
盛り上がるように曲がった状態

反りの確認方法ですが、目視は難しいので以下の手順で確認しましょう。

2Fと15Fを押さえる

2Fと15Fを左手と右手で押さえる

ギターの2Fを指で押さえる
7Fあたりを叩く

2Fと15Fを押さえた状態で7~8Fあたりを軽く叩く

ギターの7Fを指で叩く

この工程を行ったときに鳴る音で状態を判断できます。

状態症状
正常叩くとカチカチと音がする
順反り叩くとビーンという音がする
※ハンマリングに近い音
逆反り叩いてもほとんど音が鳴らない

この工程で状態を判断したら、トラスロッドを回して調整します。

トラスロッドを回すときは手間ですが、弦を緩めましょう。

アコギのトラスロッドを回しているところ
六角レンチかパイプレンチで回します
回す方向起こる現象
右(時計回り)締まって順反りを解消できる
左(反時計回り)緩んで逆反りを解消できる
補足

稀に回す方向と効果が逆のギターもあるので取扱説明書を読みましょう

急激に回さずに少し回したら、前述の工程で音を確認します。

回す角度の目安

1回の操作で回す角度は45度までを目安にするとよい

急激に回すと、ネックがミシミシいって指板がはがれてしまうことがあるので十分に注意してください。

トラスロッドをある程度調整しても直らない場合はサドルの変形なども考えられるため、ギター工房に相談しましょう。

アコギのサドル

オクターブがわかるレベルで狂っているときは一度、職人さんにみてもらった方がいいと思います。

そこまでいくとネックの反りだけでなく、サドルの変形やボディの膨らみなども発生していることが多いです。

なお、エレキギターの場合はブリッジ部分をネジで回してオクターブ調整できます。

まずは自身で調整してみて、改善しなそうならギター工房へ相談すると良いでしょう。

 

オクターブチューニング まとめ

ギターを演奏しているところを横から撮った
  • オクターブチューニングは開放弦と押弦した時の音のズレを確認するもの
  • ギターの状態が悪いとオクターブチューニングはズレる
  • オクターブがズレている場合はギター工房でみてもらった方がいい

ぎたすけ

なるほど、楽器としてのセッティングがおかしくなると音にズレが生まれるんだな

たけしゃん

そうだね。コードを弾いていても何か気持ち悪く感じるから、早めにみてもらった方がいいよ

オクターブチューニングについての解説でした!

ちょっとしたズレならトラスロッドを回してみて、明らかにズレてる時はギター工房に相談するのがいいかなと思います。

気候の変化でネックは反りやすいので、季節が変わったら一度チェックしてみるといいでしょう。

関連記事

アコギの弦高を解説。弦高調整の目安やプレイスタイル毎のおすすめを解説 アコギのフレットとは。フレットの状態確認、フレット交換・すりあわせについて解説 PlekにJ-45を入れるところPLEKでギターの健康診断!東京の工房 Sleek Eliteでアコギを調整してもらった TaylorのピックアップES2のコントロール部分弦アースとは?アコギ(エレアコ)の弦アース事情と必要性を解説 コンパウンド弦のMartin MA130Sは弦が白いアコギ弦の太さ(ゲージ)による音や演奏性の違いを解説【プロ 77名の弦の太さ別 使用率も紹介】