アコースティックギターの木材の種類や違い、代表的なアコギを解説する

ぎたすけ

ギターの木材って色々あるの?

たけしゃん

大体、パターンは決まっているんだけどね。音質も結構違うから覚えると面白いよ
この記事でわかること
  • アコースティックギターに使われる木材
  • アコースティックギターのパーツと名称
  • 代表的なアコースティックギターの木材
  • アコースティックギターの木材に関する豆知識

アコースティックギターのパーツ

アコギのパーツ

木材を語る時にでてくるギターのパーツは主に上記の6つです。

1本のギターでも全てのパーツが同じ木材ということはなく、それぞれに違う木材を使います。

 

そして、各パーツで使われる木材はある程度は決まっています。

次章からパーツごとの特徴と良く使われる木材を解説していきます。

トップ材

Martin DX1 トップ

ギターボディの前面をトップと呼びます。

面積が広く、アコギの音を作る母体となるため、音への影響が大きいパーツです。

 

トップ材として使われる木材はほぼ決まっています。

  • アコースティックギター…スプルース
  • クラシックギター…シダー

上記の組み合わせが9割以上。

なので、アコースティックギターを買う場合にスプルーストップ以外の選択肢を取ると、それだけで選択肢は一気に狭まります。

スプルース

※Gibson J-45

スプルースはマツ科トウヒ属の常緑針葉樹の総称のこと。

色んな種類があり、ギターの他にもドアやフローリングなど建物の木材にも使われています。

 

スプルースは端正な木目で強度が高く、軽量で振動伝達に優れた木材なので弦楽器のトップ材として重宝されています。

 

現在最も使われているのはアメリカ・カナダで採れるシトカ・スプルースです。

Gibson(ギブソン)、Martin(マーチン)、Taylor(テイラー)など有名ブランドのフラッグシップモデルにはシトカ・スプルースが多く使われています。

シダー

※Taylor 514ce

シダーとは針葉樹を中心とする広い範囲の樹木のこと。

スプルースに比べて、丸みのある甘くて柔らかい音になるため、フィンガープレイヤーを中心に愛用されています。

 

クラシックギターのトップ材として使われることが圧倒的に多いですが、アコギのトップ材としても用いられています。

 

楽器用に使われるシダーはウェスタン・レッド・シダーと呼ばれるもので赤みがかった色合いです。

木材に着色していない状態だと、スプルースとの区別がしやすいです。

代表的なギター

ブンヤ

CCFL2EC-BB

※Cole Clark CCFL2EC-BB

ブンヤはオーストラリア東部で採れるナンヨウスギ属の木材。

オーストラリアのギターメーカーであるMatonが優れた木材として、90年代から使用し始めました。

 

今ではMaton、Cole Clarkといったオーストラリアのギターメーカーの特徴とも言える木材となっています。

スプルースに比べて硬めな材質なので、素朴で粒立ちの良い音になります。

 

最近ではCole Clarkがブンヤ推しでトップ材に積極的に活用しています。

鳴りが良く、クリアな低音でバランスが良い木材で85%のCole Clarkユーザーがブンヤトップのギターを選択しているそうです。

 

ちなみにスプルースはギターに使う大きさに成長するまで300年もかかりますが、ブンヤは80年程度で成長します。

今はスプルースも供給はたりてますが、今後スプルースが減ってきたらブンヤがメイン材となる時代もくるかもしれませんね。

サイド&バック材

アコギのサイド&バック

ギターボディの側面と後方部分がサイド&バックです。

原則として、サイドとバックは同じ木材を用いるため、サイド&バックとまとめられています。

 

スプルースでほぼ固定されているトップとは異なり、サイド&バックに使われる木材は非常に種類が豊富です。

そのため、アコースティックギターの木材選びは「スプルーストップに対してサイド&バックに何を選ぶか?」が基本形になります。

 

サイド&バック材の有名どころではローズウッド、マホガニーですが年々入手が難しくなっています。

最近では、代替材として色んな木材が使われるようになったので、ますます種類が豊富になりました。

ローズウッド

Martin D-28 バック

※Martin D-28

ローズウッドはツルサイカチ属の植物の総称でギターのサイド&バックや指板、ブリッジの材料として用いられています。

時間をかけて乾燥させたローズウッドは丈夫で周波数レンジの広い豊かな音を奏でてくれます。

 

ローズウッドと一口に言っても色んなローズウッドがあります。

特に有名なのはハカランダの名称で知られている、ブラジリアン・ローズウッドです。

今では絶滅危惧種として輸出禁止されており、超希少な木材となりました。

 

そして、現在ではインドが主要産地となるインディアン・ローズウッドが主流木材となっています。

 

ローズウッドはその煌びやか豊かな響きと伸びのある高音で作られる心地良い音質で、たくさんの人々を魅了してきました。

かの有名なMartin D-28をはじめとし、各ギターメーカーのフラッグシップモデルに多く使用されている代表的なギター木材です。

マホガニー

Gibson J-45 2019

※Gibson J-45

マホガニーとはセンダン科マホガニー属に属する植物のこと。

ギターのサイド&バック、ネックに用いられています。

数は多くありませんが、トップにも使われることもあります。

 

マホガニーをサイド&バックに使ったギターは甘く、透明感のある音になります。

Gibsonのアコギによく使われており、ジャッキとした切れ味あるサウンドはたくさんのミュージシャンに愛されています。

 

ヴィンテージもので経年によって生まれる乾いた音がするマホガニーは、より一層魅力が引き立ってたまらない音がします。

ローズウッドと並んで、アコギの代表的な木材です。

メイプル

Gibson Dove

※Gibson Dove

メイプルとはカエデのことでムクロジ科カエデ属 の木の総称のこと。

ギターではサイド&バック、ネックの材料として使用されています。

 

メイプルがサイド&バックに使用されたギターは音へのレスポンスが優れており、高音の伸びが控えめな明るいのに落ち着いた音になります。

また、木目が特徴的で美しく民芸品としての価値も高いです。

 

Gibsonの最上位モデルではサイド&バックにメイプルが用いられています。

特にGibson Doveはプロのシンガーソングライターで使用している方も多く、非常に人気があるメイプルギターです。

コア(ハワイアンコア)

Taylor GS-mini koa

※オールコアのTaylor GS-MINI Koa

コア(ハワイアンコア)はハワイで採れるマメ科アカシア属の木材。

主にはギターのサイド&バックに使われますが、トップ・サイド&バック共にコアで構成されるオールコアのアコギも存在します。

 

非常に硬くてクッキリと輪郭が出る音質が特徴的です。

あまり、箱鳴りの響き豊かではないため、鳴らないと感じる人も多いです。僕もそうです。

 

ただ、このクッキリとした音質はコア独特で他の木材では再現が難しいです。

好きな人はとことんハマるのがコアの特徴です。

 

また、美しいトラ目の木目も特徴的でオールコアのギターはルックスが独特です。

GS-MINI Koa

※オールコアのTaylor GS-MINI Koa

ウクレレっぽいポップなルックスでサイズ感はしっかりとアコースティックギター。

サーフミュージックとかやっている人に合いそうなルックスですね。

 

コア自体は絶滅危惧種などに指定されてはいないものの、供給量が少なく高価な木材です。

なので、全体的に価格は高めで限定モデルとして使用されることが多いです。

サペリ

Taylor 314ce

※Taylor 314ce

サペリはアフリカで採れるセンダン科エンタンドロフラグマ属の木材。

マホガニー代替材として海外メーカーでは積極的に活用されています。

 

サペリの音質はマホガニーに近く、甘くて透明感のある音と言われています。

…がやっぱり、マホガニーとはキャラクターは違います。

サペリを弾いてみると、甘いというよりジャキジャキした音質です。

 

ストロークではザクザクと刻んでも切れ味があり、オープンコードで鳴らせば爽快感があります。

マホガニーのような豊かで膨らみある響きにはなりませんが、サペリはサペリで使いやすい音質になっています。

オバンコール

Taylor 414ce

※オバンコールのTaylor 414ce

オバンコールは西アフリカが主要産地となるマメ科ギボーティア属の広葉樹。

ウクレレなどに良く使われており、数は多くないもののアコギやクラシックギターにも使われています。

 

ローズウッドに近い性質と言われており、昨今供給が不足しがちなローズウッドの代替材として期待されています。

 

弾いて見ると、ローズウッドのように煌びやかでバランスが良い鳴りかたです。

オバンコールは中高音が堅めで明るい音になっており、音の伸びはローズウッドほどはありません。

ローズウッドとコアの中間的な音質です。

 

価格はローズウッドより安いので、一級品のオバンコールを使ったギターは今後活躍の場が広がりそうです。

代表的なギター

ウォルナット

Taylor 114ce

※ウォルナットを使ったTaylor 114ce

ウォルナットはクルミ科クルミ属のいわゆるクルミです。

主にギターで使われるのはアメリカ カリフォルニア州で採れるブラック・ウォルナット。

MEMO
Morrisはオリーブ・ウォルナットを主に使っています

明るめの茶色から濃いチョコレート色に変わっていく木目がシックでおしゃれな感じがでています。

僕はウォルナットの木目と色合いが一番好きですね。

 

音質はローズウッドとマホガニーの中間…と言われています。

弾いてみると、各音域のバランスは良い感じでオープンコードでストロークすると爽快感があります。

ジャッキとした感じで伸びはイマイチですが、レスポンスは良いです。

 

最近ではTaylorやGibsonで積極的に活用されており、見かけることが多い木材になりました。

 

GibsonではSTUDIOシリーズでウォルナットを採用しています。

J-45やハミングバードなどの有名ギターのSTUDIOバージョンがワンランク下の価格で販売されているため、昔より手が出しやすい価格となっています。

ブラックウッド

CCAN2EC-BLBL

※オールブラックウッドのCole Clark CCAN2EC-BLBL

ブラックウッドはオーストラリアで採れるマメ科アカシア属の木材。

その中で、主にギターで使われるのはタスマニアン・ブラックウッドです。

 

オーストラリアのギターメーカーであるMaton、Cole Clarkが積極的に活用している木材です。

 

コア(ハワイアンコア)と同じマメ科アカシア属なので音質もそっくりです。

非常に硬い音でクッキリと輪郭のある音質で膨らみはありませんが、キンっとした音がストレートに鳴ります。

 

また、木目と明るい色彩が非常に美しくルックスがいかにも木っぽい感じになります。

CCAN2EC-BLBL

※オールブラックウッドのCole Clark CCAN2EC-BLBL

最近では秦基博さんがMatonで自身のシグネイチャーモデルエレアコを製作しており、サイド&バックにブラックウッドが使われています。

コアが貴重な木材で入手が難しくなっているため、今後はもっと活躍の場が広がりそうな木材です。

指板材・ブリッジ材

指板とブリッジ

指板とブリッジに使われる木材はトップやサイド&バックでも使われる木材が選択されます。

良く使われている木材は…

  • エボニー
  • ローズウッド

この2種類となっています。

更にサイド&バックに合わせるという基本ルールがあり

  • サイド&バック:ローズウッド⇒指板&ブリッジ:エボニー
  • サイド&バック:マホガニー⇒指板&ブリッジ:ローズウッド

…となっています。

ただ、あくまで基本ルールというだけで、例えばTaylorではサイド&バックに関わらずエボニーが採用されています。

また、Fenderでは最近はウォルナットを指板&ブリッジに使っていたり…とメーカー毎に特色があります。

有名ギターの指板・ブリッジ材

指板&ブリッジの音質に関する影響度はトップやサイド&バックに比べると低いです。

一般的にはエボニーのほうが艶があるサウンド、ローズウッドは明るいサウンドになると言われていますがトップやサイド&バックの影響のほうが大きいため、区別しにくいです。

ネック材

ギターネック

ネック部分に使われる木材は割と豊富に種類があります。

ネックに使われる木材

  • メイプル
  • マホガニー
  • サペリ
  • セドロ(スパニッシュ・シダー)
  • クィーンズランド・メイプル

この中でも多いのはメイプルとマホガニーです。

また、最近ではマホガニーの代替材としてサペリが使われることが増えてきています。

 

有名どころのギターで言うと、Gibson J-45Martin D-28はマホガニーが使われています。

Gibsonアコギの上位モデルにあたる、Gibson J-200Gibson Dove(ダヴ)にはメイプルが使用されています。

 

ネックに関してもトップやサイド&バックに比べて音への影響度は低く、ネックだけで比較することはほぼないので違いがわかり辛いです。

 

また、最近ではマホガニーの入手が難しくなっている関係でMartinは一部上位機種以外はネックの木材をセレクトハードウッドという表記にしています。

マホガニー中心にエボニーなど様々な木材で構成できるよう、あえて木材を指定していないようですね。

アコースティックギターの木材に関する豆知識

たけしゃん

アコギの木材って専門用語が多い上に解釈が複雑なんですよね

単板と合板

  • 単板…1枚の木で構成される木材のこと
  • 合板…複数枚の木材を重ねて圧着した木材のこと

トップ材、バック材の木材には単板と合板という区別があります。

メーカーによっては単板だとソリッドと頭につけて、合板だとレイヤードとつけていたりします。

  • ソリッド・ローズウッド
  • レイヤード・ローズウッド

単板の方が木が響きやすく、鳴りがよいため価格も高めに設定されています。

 

逆に合板は丈夫で安いため、10万円未満のギターに多くしようされています。

最近は環境保護の観点から、各メーカーで圧縮材や合板を積極的に活用する動きがあります。

同じ木でも産地によって種類が異なる

例えば、スプルース1つにしても産地によって種類が異なります。

スプルースの種類

  • シトカ・スプルース
  • イングルマン・スプルース
  • アディロンダック・スプルース
  • ジャーマン・スプルース

同じスプルースでも音質や木目や色合いなどが異なり、高級ギターになると区別されることが多いです。

逆に合板などが多い、安めのギターでは色んな産地の木材が使われるため、スプルースとしか書かれていないことが多いです。

 

ヴィンテージ市場やリミテッドエディションのような限定モデルとなると、貴重な木材を使っていることもあり、産地によって価値が大きく変わってきます。

例えば、スプルースで言えば昔のMartin、Gibsonのギターにはアディロンダック・スプルースが使われていました。

 

現在ではアディロンダック・スプルースは超希少な木材となっており、主にシトカ・スプルースが用いられています。

その関係でヴィンテージものや限定モデルでアディロンダック・スプルースが使われていると値段が跳ね上がる傾向にあります。

 

特に種類が豊富にあり、価値の変動に大きく関係してくるのはスプルース、ローズウッド、マホガニーです。

この3木材の産地別の特徴などは知っておくとギター探しに役立つでしょう。

それぞれ木材別の個別記事で解説していますので、参考にしてください。

同じ木材でもランクがある

同じスプルースでも高級スプルース、最高級スプルースがあります。

例えば、同じシトカ・スプルース使用のギターでも木材個体のランク差によって値段が全く違ってきます。

 

そんなわけで、高級ギターの代名詞であるスプルース × ローズウッドという組み合わせのギターでも10万円くらいから50万円するものまで色々あるわけですね。

各メーカーのフラッグシップモデルやカスタムショップ製のギターはランクの高い木材を使用しています。

 

ただ、僕ら素人がランクを聞いたところで木材の良し悪しがわかるわけもなく。

弾いてみて、自分が好きかどうか確かめる以外に術がないので、あまり指標にはなりません。

アコギに使われる木材 まとめ

  • アコギはトップ、サイド&バック、指板、ブリッジ、ネックのパーツ毎で使う木材は異なる
  • トップ、指板&ブリッジは選択肢は大凡決まっており、サイド&バック選びがメインになる
  • 高級ギターのサイド&バックはローズウッドかマホガニーが多い

ぎたすけ

うぅーん、こんなにあるのか。木材の違いって難しいな!

たけしゃん

しかも、ギターって同じ木材だからって同じ音はしないからね。最終的には弾いた感覚で好きなの使ったら良いよ

アコギの木材についての解説記事でした!

改めて、木材ごとの個別記事をまとめます。

木材ごとの解説記事

それぞれの木材記事では本記事より、一歩掘り下げて木材の特徴や種類、代表的なアコギを解説しています。

興味のある木材があれば、ぜひ個別の記事で更に深い世界を覗いてください!

ギターメーカーにも詳しくなろう

アコースティックギターのメーカー別で特徴や代表製品を紹介

アコギのギターメーカーをまとめて、メーカーごとの特徴や代表的なギターを解説
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