ギター演奏に最適な右手の爪は「親指だけ伸ばす」なのか?

たけしゃん(@_tkshan)です。

今日はアコースティックギターを指弾きする際の問題。爪のお話の第二段です。

前回の記事では右手の爪について選択肢を調べて何が最適解っぽいのかを考えました。

ギター演奏に最適な右手の爪を考える

2016.05.04

今回は考えて実行した結果、行きついた「親指だけ伸ばす」という結論について僕の持論を述べていきます。

親指だけ伸ばすって実は結構ポピュラーな選択肢だったりするのです。気になっている方も多いと思いますので「全爪伸ばす」「爪は切る」という選択肢と比較しながら記載をしていきます。参考にしてください。

1. 「親指だけ伸ばす」に行きつくまで

僕も親指だけ伸ばすという結論に至るまで、それなりに長かったわけです。
これまで、どのような爪の取り組みをしてきたのかをメリット・デメリットも踏まえて記載していきます。

1-1. 爪は切る

たぶん、弾き語りすとで一番多い選択肢が爪は右手も左手も切っちゃうパターン。

左手は深爪するレベルまで切っている人がほとんどかと思いますが、右手は深爪するレベルはもちろん必要ないです。

爪を切ると、指の肉で弦を弾くことになります。
必然的に音が丸くなるんですが、これはこれで悪くないんですよね。

プロミュージシャンでも秦基博さんはこのスタイル。

これが、正に丸い音です。
爪を切るメリットは「弾きやすい」ということ。弦にアタックする強さやタイミングが自分の意思通りにコントロールしやすいので非常に弾きやすいです。

そして、生活面で影響がないことも大きいです。爪が長いと、どうしても色々と不便なところがありますからねぇ。

逆にデメリットは音量が出ないことです。
どうしても指の肉で弾くとピックや爪で弾いた時と比較して音量負けします。音量を上げようと強く弾くと、弦がビビってしまいます(ビーーンってなっちゃう)。

もう1点のデメリットは音が丸いということです。
丸い音は悪くはないんですが、低音がボワーンと回りやすかったり、ストロークや単音弾きも指でやろうとすると各弦の音が丸まってしまってピックの時のようなシャッキリ・ザクザクとした音にならないんですよね。低音はEQとかでもコントロールできなくはないですが、ストロークと単音弾きはどうしようもないですね。

EQ(イコライザー)のススメ

2016.04.11

ちなみに秦基博さんはマイクスタンドにピックを取り付けており、ストロークとアルペジオ混合の曲はストロークに変わるタイミングでピックに持ち替えています。爪を伸ばさない人は常套手段です。ピックストロークと指アルペジオの音量差が付きすぎてしまう点には注意しましょう。

■メリット

  • 弾きやすい
  • 生活面で影響がない

■デメリット

  • 音量が出ない
  • ストロークは不向きなのでピックを持った方がよい

こんなところでしょうか。
ポピュラーなだけあって、万人向きです。大半は上記のピック持ち替えを活用して対応できる範囲なので十分っちゃ十分。

1-2. サムピックを使う

IMG_0361

スリーフィンガーでよく使われるやつ。
ブルースのギタリストが使っているところを見かけます。山崎まさよしさんとかも使われていますね。

最近の弾き語り系アーティストで使っている人をみかけない印象です。

サムピックを使うことで、前述の指の肉で弾く際の問題点である「音量が出ない」「ストローク・単音弾きに不向き」という点を解消できると思ったわけです。

確かに解決できた…けど弾き辛い!
その点が解消できない。角度を変えたりヤスリで削ったりしたけれど、どうにも弾き辛い。

慣れの問題らしいですが、どうも僕には慣れ以上に厳しく感じたので止めました。
ストロークやっていても引っ掛かっちゃうんですよね。音がぎこちなくなってしまいます。

■メリット

  • 音量も出て、ストローク・単音向きもいける
  • 生活面で影響がない

■デメリット

  • とにかく弾き辛い
  • 見た目がイマイチ(僕の印象)

こんなところ。
弾き辛さを感じない人はサムピックが手っ取り早く問題解決できる手段です。一度、チャレンジしてみるのがよいでしょう。

1-3. 全爪伸ばす(小指は除く)

そして、昨年はしばらくやっていた全爪(小指は除く)伸ばすパターンです。

なお、小指に関しては僕は切っていました。直接ギターのプレイに関係することがほぼないので伸ばす必要はありませんが、小指だけ短いと見た目に違和感あるから伸ばしていた時期もありましたが面倒くさいので結局切った…という経緯です。

全爪伸ばすにしても何もしないで伸ばしてギターを弾くと即割れるので、「グラスネイル」と呼ばれるネイル商品を使って固めていました。

ちなみにこのスタイルの代表例というと押尾コータローさんですが、ソロギタリストは元々、このパターンの方が多いです。
弾き語りでいくと大石昌良さんが、このスタイル。

こんな輪郭のある音は指の肉じゃ無理。
そしてイントロではスラップを多用していますが、逆にこの奏法はピックじゃ無理。

爪伸ばしているメリットを最大限活かしていますね。このようにストロークとアルペジオを瞬時に織り交ぜたり、ピックでは不可能な奏法をできる状態のまま、ピックの時のような輪郭を持った音を出すことができます。

デメリットは生活上不便ということ。女性はネイルが趣味な方も多いので苦痛ではないのかもしれませんが、これ相当不便ですよ。

僕の場合は一番嫌だったのはPCのキーボードを打ち辛くなること。タイピングミスが激増して仕事のスピードが明らかに遅くなりました(笑)

それ以外でも営業先や職場の人にも男が右手の爪だけ伸ばしているのは変な目で見られる可能性はあります。僕はギターを弾いていることを知っている人が多かったので、あんまりなかったですが。

そして、ネイルケアも結構大変です。
グラスネイル自体、2週間くらい弾いていると剥がれたり、割れたりします。その都度、また綺麗に塗って…ってのは結構大変。お金もセットで揃えると15,000円くらいします。1年くらいは持つ量入っていますが、月単位で見ると1,200円くらいかかっていることになる。

爪の形の維持もそこそこ大変です。爪を伸ばしていると爪の形で弾きやすさが激変します。弦にアタックする部分だけ伸ばして、それ以外はヤスリで削り落としたほうがよいです。こうしないと、変なところが弦に引っかかってミストーンを発生させます。

僕の場合で言うと親指は左側の端部分と右側は削り、真ん中左部分だけ伸ばしています。
左の端部分がよく弦に引っかかるので、ここは削って急角度にしています。逆に親指以外は真ん中右側だけ伸ばして左側は削っています。

グラスネイルを検討されている方は下記の記事を参照してください。

グラスネイルの使い勝手をレビューする

2016.06.08

■メリット

  • 音量も出て、ストローク・単音向きもいける
  • ピック無しで満足いく演奏ができる

■デメリット

  • ネイルケアが結構面倒。お金もかかる
  • 生活上で不便。客先とか行く人は見た目も気になる

こんなとこ。
演奏面で言うと、めっちゃ良かったです。本当に指だけで全部賄える感じです。

ただ、音楽で生活している人は良いと思いますが、サラリーマンとかやりながらの人はちょっときついかなぁ。僕は結構きつかったです。

2. 親指だけ伸ばしてみて

さて、ようやく今日の本題。親指だけ伸ばしてみてです。
ちなみに画像くらいのレベルじゃないです。爪で弾き倒すためにはもっと全然長くする必要があります。

2-1. メリット

  • ベース音に輪郭が出てアルペジオがくっきりする
  • ストロークや単音弾きも音量や輪郭を出せる(※後述参照)
  • 生活上、そこまで影響がない
  • ネイルケアの手間も全爪伸ばすより、相当楽。お金もそんなかからない

1つずつ解説していきます。
(※後述参照)としている文は訳アリで解説必須な内容なのでつけました。

■ベース音に輪郭が出てアルペジオがくっきりする

アルペジオって全爪伸ばしている場合と親指だけ伸ばしている場合で効果ってあんまり差がないです。

やっぱり、ベース音がくっきりしていると全然違うんですよね。
逆にそれ以外の音って別にくっきりしていなくて大丈夫。丸みがあったほうが良い場合すらある。

サムピックを使う人も親指だけつけているプレイヤーが圧倒的に多いのも、そういった理由でしょうね。

■ストロークや単音弾きも音量や輪郭を出せる

まず、ここで大事な点です。ストロークを爪弾きで音量・輪郭を出すためには正確には親指だけ伸ばしてもダメです。人差し指も若干伸ばす必要があります。

このあたりは親指以外のどの指の爪を伸ばすかはストロークの仕方によります。たぶん、中指の人もいるかと思いますね。僕は人差し指です。

やってみるとわかりますが親指を使うのは基本アップストローク(下から上)です。ダウン時は親指の爪は角度的に当たりません。

よって、ダウンストローク用にどこかの指の爪をある程度伸ばしておく必要があります。
ただし、この伸ばす長さはアルペジオで爪が当たるレベルまでは要りませんので、生活上ではさほど苦にならないくらいのレベルで大丈夫です。

また、単音弾きについても親指で済みますが、全部は無理なので誤解がないように解説をしておきます。
通常のメロディー弾きするレベルであればHARDピックほどではないものの輪郭のある音で演奏できるので及第点は取れるでしょう。

しかし、オルタネイトピッキングで早弾きと呼ばれるレベルの演奏をする際はさすがに親指では厳しいです。
ピックを使ったほうが絶対よいです。ただ、山崎まさよし神とかは親指でめっちゃ早弾きしているので不可能ではないですが相当難しいです。そして、弾き語りではそんな早弾きをすることはないです。まさよし神も曲中ではなくMC時など曲と曲の繋ぎでやっているだけです。

生活上、そこまで影響がない

親指だけだと、実際そんなに影響ないです。前述の通り、人差し指も伸ばす場合でも、生活し辛いレベルまで長くなくて良いので大丈夫です。

また、右手の親指だけ長い場合は何も言わずとも、大抵は楽器やっていると気付いてくれますので変な事言われたりもしないです(僕の経験上ですが)。

■ネイルケアの手間も全爪伸ばすより、相当楽。お金もそんなかからない

これも親指と僕の場合は人差し指ですが、全爪伸ばすより相当楽です。
特に親指は元々硬いので、グラスネイルを二重に塗る必要もないし、ある程度間が空いても問題ないので元々他の指よりは楽なのです。

お金自体も親指+人差し指だけなら一回グラスネイルセットを買ってしまえば2年くらいは持つ気がします。

2-2. デメリット

  • ストローク・単音弾きはピックにはさすがに勝てない
  • 生活上影響は少ないけど、それでも若干面倒
  • ネイルケアも全爪ほどじゃないけど、面倒
  • 大石昌良さんみたいなプレイは親指だけじゃ無理

こんな感じ。
基本的には爪切るパターンと全爪伸ばすパターンの折衷案みたいなもんだから、デメリットも折衷案らしく中間くらいのリスクは発生するよって感じですね。

生活面やネイルケアが正にそんな感じ。全爪伸ばすよりは全然負担少ないけど、爪伸ばさないパターンよりは負担があるよって感じですね。最後の項目だけ別途触れておきましょう。

■大石昌良さんみたいなプレイは親指だけじゃ無理

ここだけ注意。親指だけ伸ばすパターンでは大石さんみたいなプレイは無理です。

大石さんのプレイでは俗に言う「ネイルアタック」という奏法が多々出てきます。上記の参考動画でもバリバリ使われています。
この奏法が親指だけ強化して爪を伸ばしている人にはできません。

まあ、厳密に言えば爪は伸ばさなくても、できないことはないんですけど爪の強化は必須ですし、伸ばしていたほうが良いです。

で、ネイルアタックは中指と薬指の爪をデコピンみたいな感じで弦にぶつけて打音を出す奏法なので、対象となる爪が中指と薬指なのです。

なので、大石さんみたいなプレイをしたい人は諦めて小指以外は全爪伸ばすと良いでしょう。小指もギター本体叩くのに使うので大石さん的なプレイするなら伸ばしたほうがいいかもしんないですね。

2-3. 親指だけ伸ばす手法は割と万能

ここでは親指だけ爪を伸ばすことに対しての総括的なもんを書いていきます。

親指だけ爪を伸ばすという手法は弾き語りすとにしてみると、かなり万能です。
ネイルアタックには不向きだったり、ピックには勝てなかったりするのですが弾き語りだと、正直そこまで突き詰める必要がないので十分な汎用性と言えます。

弾き語りすとの右手として最適解と言えるかなと個人的に感じます。ちなみにこのスタイルを取っていると思われる方は星野源さんです。

この動画は全編アルペジオなのでストロークしている動画が欲しかったですが無料で著作権に問題がない動画には該当がなかったです。気になる方はライブDVD見てください。「化物」とか「夢の中へ」が参考にするのに良い曲です。

星野源のライブDVD「ツービート」は弾き語りとバンド両方を堪能できて1つで2度美味しい

2016.03.21

星野源さんはストロークも指で弾いていますが、そうとは思えないくらい輪郭が出ているキレのいいストロークです。上記のDVDで指元を見ると親指は長く、人差し指・中指は少し長い程度なので、おそらくは親指だけ伸ばすパターン(ストローク用に人差し指も少し伸ばしている)と思われます。

星野源さんのギタープレイは中々に凝っていて聴きごたえがあります。このレベルまで親指だけ伸ばすパターンで対応できるなら十分と感じますね。

あとは拘りと私生活への影響レベルを天秤にかけてもらえればと思いますが、僕は親指だけ伸ばすパターン(正確には人差し指も少し伸ばす)で落ち着きそうです。

3. まとめ

  • 親指だけ爪を伸ばすのは「爪を伸ばさない」「全爪伸ばす」の折衷案的なところで弾き語りすとには向いている
  • 大石昌良さんみたいなプレイは親指だけ伸ばしても厳しい
  • 親指だけ伸ばすといっても、ストロークの都合上人差し指も少し伸ばす必要はある

以上!
久々に相当長い記事になりましたが、その分内容は濃いはずです。ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。

僕自身も親指だけ伸ばすパターンで行こうと決めましたが、今は一旦爪切りました。先日、ドア開ける際に親指の爪がぶつかって割れちゃったからなんですけど。

こうしてみると爪伸ばさないって選択肢も全然ありだなと感じます。
むしろ、弾き語りやっていてギターの伴奏に結構な拘りがある人以外は爪伸ばさないでいいと感じます。

星野源さんも元々はインストやっていた人なのでギター伴奏には相当拘りがあるでしょうし。

僕自身もそうですが、全部一回やってみて最適なところを探すのが一番確実です。親指だけ伸ばすが最適解って書いてますが、これからもより良い方法がないか考えるし、試していくつもりです。

中々、ギターって奥が深いね。うん。

ギター演奏に最適な右手の爪を考える

2016.05.04

ABOUTこの記事をかいた人

たけしゃん

アコースティックギターによる弾き語りを中心に音楽を愛するアラサーのサラリーマン。20代はギターを片手にシンガーソングライターとして東京都内で音楽活動に精励。
30代になって音楽と仕事(サラリーマン)の両立を模索中。