時間外労働より月間労働時間を労災認定の基準にすべき

たけしゃん(@_tkshan)です。

今日は以前からずっと感じていたこと。
労災や三六協定の話で出てくるのって毎回「時間外労働(残業)」なんですよね。

これが前から基準として適正なのか疑問だった。
月間の時間外労働80時間以上が過労死ラインとなっているが、所定労働時間が人によって違うから基準として曖昧なんだよな。

昨今ではシフト制の正社員も増えてきたし、変形労働時間制やフレックスを適用している正社員も増加している。

1日の勤務時間が8時間って会社だけじゃない。
時間外労働だけを基準にしていたってダメと感じる理由を語ります。

1. 所定労働時間の違い

まず、時間外労働の考え方について。
時間外労働とは会社で定められた所定労働時間を超えて働いた時間を指す。

一般的なサラリーマンは1日8時間、週40時間勤務。

例えば、9:00-18:00(1時間休憩)の会社であれば、この時間以外で働くと時間外労働となる。これが基本形。

この所定労働時間が働き方によって変わってしまうのです。

1-1. 勤務時間が異なる場合

最近では1日8時間ではない会社が増えてきました。
特に大手企業は1日7時間、7.5時間など少し短めに設定しているところが多い。うちも7.5時間です。

労働基準法で定められているのは限度時間(1日8時間、週40時間)なので別に限度までいかなくてよいでしょってことです。

1日7.5時間で月20日出勤と仮定すると、1日8時間の人とは所定労働時間が10時間短くなる計算です。

このパターンは働く時間が減るし、時間外労働になる範囲が広がるので、むしろ良い話と言えるでしょう。

1-2. 変形労働時間制を敷いている場合

変形労働時間制の説明から。

変形労働時間制とは一定の期間を平均すると1日8時間、週40時間になる範囲で日また週の法定労働時間を超えて労働させることができる制度のこと。

例えば今週50時間働いても次週が30時間なら平均して週40時間労働だからオッケーってことですね。

単位は1か月単位を用いるところが多いですが1年単位もあります。SEとか繁閑が凄まじい業種が1年単位を使っているイメージ。

1か月の変形労働時間制を敷いている場合は残業時間がよくわかんなくなりがち。
そこで、日とか週じゃなくて月毎の日数で所定労働時間が定められている。

  1. 28日(2月) 160時間
  2. 29日(閏年)  165.7時間
  3. 30日 171.4時間
  4. 31日 177.1時間

ちなみに1年間は下記の通り。

  1. 365日 2085.7時間
  2. 366日 2091.4時間

一応、上限設定は1日8時間、週40時間の人と同様に設定されている。

1年単位の変形労働時間制は細かいルールがあって、短期的に労働時間が超過しすぎないように設計されているけど、それでも時間外と相まってやばくなりがち。

1-3. 年間指定休日

年間指定休日ってどこの企業でも決まっている。
一般的には120日。

120日より多いところは優良企業と言われる。就活性にも人気が高い。
完全週休二日制+祝日休み+お盆と年末年始休み。これで120日くらい。

祝日がある週は土曜に出勤とか、祝日が休みじゃないとか。条件が変わってくると減るけど、下限値は105日と言われている。

1日8時間労働で年間260日(閏年は261日)以上働くと、どこかしらで週40時間を突破することになるからである。

そんで、本題としては年間指定休日が120日の人と105日の人じゃ所定労働時間が違うよねってこと。

例えば12月。12/28から休み(祝日休み)の人と12/31(祝日も出勤)まで仕事の人で比較すると。

  • 12/28から休み(祝日休み) 19日×8時間=152時間
  • 12/31(祝日も出勤) 21日×8時間=168時間

所定労働時間が16時間も違う。
大体シフト制で土日祝関係なく働いている人が年間指定休日105日とかなんだけど、5月、12月、1月は結構な差が出る。

2. 月間労働時間を基準にした方が良い理由

前章で既に大体はわかってくれているような気がしますが、時間外労働より月間労働時間で見たほうが良い理由です。

単純に時間外労働だけ見ていると落とし穴があるというお話。

2-1. 所定労働時間に差がある

前章の年間指定休日が一番わかりやすいですが、労働条件によって所定労働時間に差があります。

先ほどの12月で比較した例で考えると、年末年始が休みの人と出勤の人で所定労働時間に16時間差がありました。

仮に年末年始休みの人が結局、仕事都合で休めずに2日間(16時間)休日出勤し、その他に64時間残業した場合は時間外労働は80時間となり、過労死ラインに到達します。

しかし、年末年始が初めから仕事の人が64時間残業した場合は上記の場合と月間労働時間は全く一緒ですが過労死ラインに到達しないことになります。えー、なんてこったい。

2-2. 変形労働時間制だと長時間労働に気づき辛い

変形労働時間制を敷いていると、繁忙に合わせて特定月や特定期間のみ所定労働時間が伸びる時があります。

そうなると、時間外労働と合わせて相当な長時間労働になっているのに時間外勤務だけ見ると大したことがない場合があります。

例えば、1日10時間勤務の変形労働時間制の人が3時間残業すると9:00-23:00勤務になります。
1日8時間の人より最初から2時間長いので、拘束時間が相当長いです。

この状態が数週間に及ぶと、気づくと仕事以外何にもできない状況に陥りがちです。
その分、休みも多かったりしますけど連日深夜まで働いていると休みの無気力感が半端ないんですよね。疲れも取れない。

3. まとめ

  • 時間外労働だけ着目していると長時間労働になっていても気づけない時がある
  • 年間指定休日が少ない人は見えている時間外労働以上に労働時間が長い
  • 変形労働時間制だと時間外労働が少し嵩むだけで短期的に物凄い労働時間になりがち

最近だと、36協定の制限を強めようとしたときに休日出勤は対象外という穴があるって議論が出ている。

あれも確かに穴だけど、休日出勤の中でも法定休日を埋める休日出勤の話だから、そもそも頻繁に合っちゃいけない話。基本的には1週間で1日も休みがない場合に発生する話だからね。

こっちの話のほうがよっぽど、日頃からありがちな穴だと思うけどね。

月間労働時間の縛りをもう少し強くして、違反時の罰則もきつくすれば飲食業界とかブラックの温床化しているところにも影響がある気がするけどな。

そもそも、労働基準法が多様な働き方を想定しない時代に基礎が作られているから時代に沿って改正されていても追いついていないと感じる。

ABOUTこの記事をかいた人

たけしゃん

アコースティックギターによる弾き語りを中心に音楽を愛するアラサーのサラリーマン。20代はギターを片手にシンガーソングライターとして東京都内で音楽活動に精励。
30代になって音楽と仕事(サラリーマン)の両立を模索中。