残業「月60時間」の制限より残業時間の割増賃金率を上げようぜ

こんばんは。たけしゃん(@_tkshan)です。

政府の働き方改革運動は2017年に入って活発化しています。
先日も働き方改革実現会議の第6回が開かれました。

本当に良い事です。
長時間労働って本当に良い事がない。早くなくなってほしい。

しかし、何か話の論点がずれるんだよなぁ。
まあ、会社側の利益や主張も取り入れないといけないだろうから労働者の考え方とはズレて当然っちゃ当然なんですけどね。

そんな中で先日の働き方改革実現会議で出てきた残業の上限「60時間」について考えます。

1. 残業時間の上限について

この記事に辿り着く方であれば、ご存知の方も多いでしょうが最初にそもそもの残業時間の考え方について。

残業させるためには会社は手続きを踏んで協定を結ばなければいけません。
何気なくさせている残業にも、ちゃんと労使協定なるものが結ばれているわけです。

1-1. 労働基準法

まず、大原則の労働基準法。
こちらでは労働時間は1日8時間、週40時間を限度となっている。

よくあるサラリーマンの勤務体系である月-金の1日8時間労働ってのはここからきているわけです。

変形労働時間制なる仕組みがあって1日8時間以上働いている人もいますが、あれだって月や1年で見たら平均で週40時間を限度に働かせることはできない。

しかし、上記の原則を超えて働かせる場合の決まりも書いてあり、それが労働基準法36条だ。

1-2. 三六協定(サブロク協定)

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。

-労働基準法36条-

こんな風になっていて、書面による協定を交わせば1日8時間、週40時間を超えて労働時間を延長できちゃう。

それが、現状のルールでは1年間で360時間が限度となってはいるものの、特別条項なるものをつけると臨時的措置として1年のうち6か月間においては事実上は上限なく設定できてしまうというから問題になっている。

さすがにそこまで無茶苦茶なものは労使協定結ぶわけだからないだろうが…。

1-3. 今回の話

そんで、ようやく今回の働き方改革実現会議でのお話。

現状の三六協定の問題点を考え、残業の上限設定をしてしまおうというお話。

会議内で出た案としては「残業時間の上限は月60時間、年720時間を限度とする」

ただし、企業活動を考え繁忙期においては月100時間、2か月平均80時間までの残業を可とするが他の月の残業時間を減らし年間で月平均60時間を超えないこと。

となった。
正直、え~っていうのが所感。

そもそもさ、月60時間残業していれば十分な長時間労働でしょ。

まあ、先日話題になった電通で言えば特別条項の上限は月70時間だったらしいから、さすがにそこは下回る設定にしたらしい。

しかも特別状況は年6回までだから、年間の残業時間上限で考えると今回の政府案と電通の特別条項は大して変わらない計算になる。

せめて、特別条項を廃止するくらいの案が欲しかった。

2. 割増率を上げようよ

ネットでもよく言われているが、僕も残業の割増率を上げようぜって意見の人間。

日本の根本的な問題として残業しているほど頑張っているっていう訳の分からん美学がある。
こんだけ長時間労働が批判されていても、未だに根強いから恐ろしいもんだ。

会社全体で残業をやめようって方向性にするには残業時間の上限も悪くはないけど、割増率高くすれば会社も利益がどんどん悪化するから残業しない方向に舵を切るのではないかと思うわけです。

2-1. 残業を減らすために人を雇うという考え

現状って仕事が2人分あったって新しく人を雇おうって考えにならないんですよね。

雇用リスクを考えたり、ボーナスやら退職金やら福利厚生費やら考えると仮にAさんが100時間残業して毎月割増賃金払っても、もう1人雇うより遥かに安上がりだから。

労働環境の改善とかを考えれば、人を増やして負担を減らそうとは考えるだろうけど、出来る限りコストを安く…ってなると残業させたほうが明らかにコストパフォーマンスがよい。

残業の割増率をもっと高めて、人を雇った場合との差額を縮めれば、もう少しは残業を規制して仕事量にあった人員配置をすると思うんだよな。

といっても、増える人は派遣社員とかだろうから、非正規雇用を減らす取り組みってのは別に必要だけど。

2-2. 労働者も所得が極端に減らない

残業を減らそうって考えの時にどうしても障害になるのが労働者の収入減。
残業代がないと生きていけないって人は一定数いる。

その問題に対しても割増率が上がれば残業を一定時間減らしても収入が減らないから、残業時間を減らそうって考えになる。
もちろん、もっと儲けようって考えになって残業する人はいるだろうが…。

残業の割増率を上げることで労働者も雇用主も残業を減らそうって考えになるのではないかと思う。

2-3. そもそも日本の割増率は極端に低い

日本の時間外手当(残業の割増率)は25%
1か月に時間外が60時間を超えると50%となっている。

アメリカ、韓国、マレーシア、シンガポールなど多くの国では初めから割増率50%なので、日本の倍額の手当が出ることになる。

50%くらい出たほうがよい。
そうすれば、単純計算で考えると1.7人分の仕事を1人で残業してやる場合と2人でやる場合の人件費は大体一緒になる。

3. まとめ

  • 残業「月60時間」の制限案は月60時間も残業させられちゃうんだから意味ない
  • もう1人雇うより、1人の人間に長時間労働させたほうが人件費が安くなっちゃうのがよくない
  • 残業の割増率を上げれば雇用者・労働者共に残業を減らす意識がつく

こんなとこ。
まあ、割増率の引き上げに問題がないわけではない。

実際にやろうと思ったら、潰れる会社も出てくるだろうし。中々に難しい課題がいっぱい出てくる。

でも、他国で実行しているところがいっぱいあるんだから、できないわけはないだろって気がするよ。特にアメリカがやっているんだから日本でやれない理由ってなんだろうね。

フリーミアムモデルじゃないけど、残業を減らすために残業代を上げるという一見、逆の行為に見えることを実行するのが効果があったりするってのも面白い話だよなぁ。

ABOUTこの記事をかいた人

たけしゃん

アコースティックギターによる弾き語りを中心に音楽を愛するアラサーのサラリーマン。20代はギターを片手にシンガーソングライターとして東京都内で音楽活動に精励。
30代になって音楽と仕事(サラリーマン)の両立を模索中。