解雇規制の緩和がされれば労働環境は改善されるのか

こんばんは!たけしゃん(@_tkshan)です。

昨今、度々話題に上がる解雇規制緩和のお話。

現在の第二次安部内閣では現在の解雇規制を緩和したいと提言されており、法改正も含めて検討もしているようです。

僕は人事部の人間ではないですが、自身のプロジェクトにおいては相応の人事権を持っているわけで組織を円滑に回し、一定の利益を確保するために雇用や解雇の判断もします。

その立場で考えると、解雇規制は本当に半端じゃなく強い。
過保護すぎて歪んでるレベルとさえ思える。

といっても、頑張ってもダメな人は結構な割合いるわけで、そういった人たちが解雇されるってなると完全に弱肉強食社会になってしまうので、考えもんである。

今回は自身の立場や経験から解雇規制緩和について考えます。

1. 解雇規制とは

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

-労働契約法 第16条-

これが原則。2008年に成立したもの。
ここに追加して業績悪化や事業縮小時に用いられる整理解雇の4要件ってのが出てくる。

  1. 人員整理の必要性
  2. 解雇回避努力義務の履行
  3. 対象者の人選の合理性
  4. 手続きの妥当性

-整理解雇の4要件-

ちなみに非正規雇用の方は関係ないと思いきや、そうでもない。

契約更新を会社側からしないと通知された際にこれまで反復して契約更改がされており、期間の定めがない契約と実質変わらない状況の場合は解雇氾濫用法理の類推適用なるものが適用され、合理的な理由がないと解雇が無効となる可能性があります。

結局、有期雇用だから解雇しやすいかというと長期雇用していると、そんなこともなくなっている。
だから、最初に契約期間は最長でも○年と記載し、それ以上は契約延長はできない企業が増えてきたわけです。

人が育たないですが、数年スパンで入れ替えが前提となれば事業縮小時や能力がない人を雇った際の雇用リスクは格段に減りますからね。

2. 解雇規制緩和のメリットとは

解雇規制を緩和すると、どんなことが起きるのか。
メリット・デメリットが激しく議論されていますが、その中身を労働者視点で考えます。

2-1. 正規雇用が増える

緩和の主目的とされている理由が正規雇用者を増やすことです。

今の仕組みだと正社員を雇うと解雇することは限りなく難しいです。
事業が縮小した際に有能・無能関係なく、先に非正規雇用者を解雇する必要があります。正規雇用は最後です。

ぶら下がり社員なんて揶揄されていますが、コストだけ高くて利益を生まない正社員なんてどこにでもいますからねぇ。

これが、解雇できるとなると今よりは数段気軽に雇用できますので、正規雇用は増えるでしょう。

ただ、これが増えたからって何なの?って気もする。
だって、転職で正社員雇用のみを探す人って待遇もあるけど安定した雇用を欲している人がほとんどでしょ。

だから、条件がクソ悪くても正社員ばかり受けるわけで解雇が容易になったら正社員だって安定しなくなるから、あんま意味ないね。

2-2. 働き方の自由度が上がる

解雇が容易になることで働き方の自由度が上がることが予想されます。

週3正社員とかリモートワークとか新しい働き方が一気に促進されるでしょうね。
だって、やってダメだったら解雇しちゃえばいいんだから。

僕的には解雇規制緩和を実施してほしい一番の理由がこれ。

働き方の自由度を上げるためには鉄のような解雇規制があると無理なんだよなぁ。
失敗が許されない今の状況だとチャレンジなんてできないよ。

2-3. 待遇が上がる人もいる

解雇規制が緩和されれば、会社が欲しい人材は待遇が上がることが予想される。

転職市場が明らかに活性化しますからね。
欲しい人材は抱えたいという会社の思いが強くなり、かつ不要な人材は整理できるので待遇の見直しを行うでしょう。

逆に言えば、待遇の見直しを行わない会社は人材が流出していくので、淘汰されてしまうということです。

3. 解雇規制緩和によるデメリット

続いて、解雇規制緩和によるデメリット。
結構、重要なところも多い。

3-1. 更に格差社会になる

企業としては解雇規制緩和により、雇用リスクが減ります。
雇用リスクって大きく分けると、事業の縮小に合わせた人員整理ができないリスク」と「無能力者を雇い続けなければいけないリスク」の2つです。

基本的には解雇規制緩和の恩恵を受けられる人は有能な人であり、無能な人は恩恵を受けるどころか冷や飯を食わされる羽目になります。

なので、これまで以上に弱肉強食社会になってしまいます。
無能な人はすぐに解雇される危険性をずっと持って働かなくてはならないから安定もクソもない。

ただ、これまでと違うのは能力に応じて平等に評価されやすくなる点です。

今の仕組みだと一流大学から大企業に入社した人は仮に無能であっても優遇され続けます。
まあ、一流大学に入ってる時点で普通の人より相当頑張っていますが。

逆に一度レールから落ちた人は中々、戻るのは難しい現状が解消されるでしょうね。
そういった意味では今より妥当性はある世の中になりそうです。

3-2. 生活保護者が増える可能性がある

解雇規制が緩和されると無能力者は淘汰される可能性があります。

転職を繰り返しても、すぐに解雇され…なんて可能性が。
そうなると心身的にまいってしまい、生活保護者になる人が増えるのではないか…。

解雇規制が緩和されたからって、そんな極端に解雇が増えることはないと思いますが、不安はありますよね。

実際、有能な人とそうでない人の比率なんて、どんなにひいき目に見ても1:9くらいですからね。
有能ではない人を中心に物事を考えないと社会経済が破たんする気がします。

しかも、周りと自身の評価が一致しない人も凄く多い。

「俺は有能だから大丈夫。解雇規制緩和をガンガンやってくれよ」って思ってる人の9割は冷や飯食わされる人でしょうね。

あぁ、自分も客観的視点を持って気を付けなければ。

4. 結論

「解雇規制緩和はやったほうよいが、緩和範囲は十分に検討し、絞るべき」

うーん、無難なまとまり方になっちゃったなぁ。

これまでの学歴社会から能力社会に変わることは間違いないから、良い事だとは思うんだけど能力ある人って本当に少ないから格差はこれまで以上になっちゃうんじゃないかと不安はある。

ただ、日本人って気質的に解雇を濫用したりはしない。保守的だから緩和は合っていると思うんだよなぁ。
今がむしろ規制と気質が合わさって過剰に労働者を守っている気がしてならない。

だから解雇規制緩和したところで、これまで勤務態度も能力も救いようがないほどダメだけど解雇規制で守られていた人間だけが解雇される気がするので、お国柄で考えると解雇規制緩和はマッチしそうではある。

自分としては働き方の自由度が上がるだろうから解雇規制緩和は是非実施してほしいと思っています。
恩恵は受けられるように頑張るとしか言いようがないな。

規制緩和することによって、副業を始めとした複数からの収入確保がますます重要になるだろうな。

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ABOUTこの記事をかいた人

たけしゃん

アコースティックギターによる弾き語りを中心に音楽を愛するアラサーのサラリーマン。20代はギターを片手にシンガーソングライターとして東京都内で音楽活動に精励。
30代になって音楽と仕事(サラリーマン)の両立を模索中。