アコギにおける弦高の適正値とは? 流行・プレイスタイルを踏まえて解説

「弾きやすくて音の良いアコギの弦高ってどれくらい?」

…ということで、アコギにおける弦高についてです。

エレキギターに比べて、弦も固いので押さえるのが大変なのがアコギ。

 

特にアルペジオで音がビビらないように押さえることは中々の苦労があります。

その影響か、弦高は低く設定するのが良いと認識されていることが多いです。

 

今日は弦高の設定によって、どんな影響が出るのかをご紹介し、適正値について考えます。

弦高とは

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まずは弦高についてです。

弦高とはフレットと弦の距離を指します。

 

よく指標にされるのは12フレット目のフレットと6弦の距離です。

定規で測るのですが、図る際は下記のような定規を用いましょう。

普通の文房具屋に良く売っている定規だと定規の端と目盛りの間に少しだけ余裕が持たれています。

上記の商品のように端から目盛りがスタートしているタイプを使わないと正確にミリ単位まで測れません。

 

測る時は「フレットの頂点から弦の下面部分」の高さを測定しましょう。

僕のTaylorは12フレットの6弦で2.5mmでした。

 

昨年、弾きずらいと感じてギター工房に持って行った時に職人さんからは「標準的」と言われました。

大体、2.5mm前後が高くもなく、低くもない標準的なラインだそうです。

最近の流行で2.2~2.3mmくらいの弦高を好む人が多いそうです。

 

大凡の基準は下記の通りです。

Point

  • 高め … 2.8mm~3.0mm
  • 標準 … 2.4mm~2.7mm
  • 低め … 2.0mm~2.3mm

 

上記の幅を踏まえて次章に進んでいきましょう。

弦高の違いによる影響とは

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続いて、弦高の高さによる違いを紹介していきます。

プレイスタイルによって、適正値が変わってくる理由も記載します。

弦高が高い

まずは弦高が高い場合の影響からいきましょう。

メリット・デメリットに分けて記載をしていきます。

◆メリット

それではメリットから。

意外と軽視されがちですが、弦高が高いメリットって大きかったりします。

  • 音量が大きく、サスティーンも伸びるので音質が良い
  • ギター本体の影響による音のビビりが少ない

 

弦高を高くすることによるメリットは音質の向上です。

特にローコードでのストロークは弦高による影響が出やすいです。

音量や厚みが弦高が低いギターとは結構な差が出ます。

 

そして、弦高が高いので激しく弾いても弦がフレットにぶつかってビビったりしません。

季節柄で湿度が変わった影響で少しネックが反り気味になっても、ビビりにくいところもいいところです。

弦の太さもビビりを気にせずに太いのを張れます。

◆デメリット

続いてデメリット。

  • 弦高が高いと押さえるのに力がいる
  • ちゃんと押さえないと音がビビる

 

何といっても弦高が低いギターと比べると高いギターは弾き辛いです。

 

本体の影響でビビることは少ないです。

しかし、今度はちゃんと押さえないと音がビビるようになります。

バレーコード、アルペジオでは弦高が低い時より注意が必要です。

◆弦高を高くすべき人

さて、弦高を高くした時のメリット・デメリットをご紹介しました。

簡潔にまとめると「音量や響きが良いが、弾き辛い」ということ。

その点も踏まえて弦高を高くすべき人は下記の2点を満たす人です。

Point

  • ストロークでガシガシとかき鳴らして弾きたい人
  • 弾きやすさより、音の響きの良さを重視したい人

 

Gibsonなどの枯れたサウンドでかき鳴らしたい人は弦高を高くすることをオススメします。

弦高が低いと音が響かなくてチープになりがちなので、迫力が出ません。

 

例えば竹原ピストルさんみたいな演奏をしたい人は弦高をやや高めに設定したほうがよいでしょう。

使っているギターは見た目からいくとYAMAHAのFG-200。

このライブみたいにマイクで録るとなおさら、弦高が低いと迫力出ないんだよなぁ。

 

高めを希望する人も2.8mmくらいまでが良いでしょう。

3.0mmは体感でやり辛さを感じるレベルになっちゃうので、かなり弾き辛いです。

弦高が低い

続いて、主流になっている気がする低めの弦高について。

こちらもメリット・デメリット。

◆メリット

まずはこちらもメリットから。

  • 弾きやすい
  • ギターソロなど細かいフレーズ弾きに向いている

 

弦高を低くするメリットとしては「弾きやすくなる」ということに尽きます。

 

これが想像以上に差があるのです。

弦高が低いと、とにかくバレーコードや小指を伸ばして押さえるタイプのコードが楽。

Badd9やBsus4といったFコードを攻略した後に当たる壁も弦高が低いギターならなんなく攻略できちゃう。

 

逆に弦高が低いギターばかり弾いていると、ギターを持ち替えると急にびびったり、詰まったりします。

僕もサブギターの弦高が低いので、慣れてしまうとメインギター弾くときにビビってしまって困ります。

 

また、弦高が低いとギターソロなど早いフレーズを弾くときは非常にやりやすいです。

逆に弦高が高いギターで早いフレーズやるのは相当辛い。

このように弦高を下げることで全体的に演奏しやすくなります。

◆デメリット

続いてデメリット。

弦高が高い場合のデメリットと真逆です。

  • 本体の影響で音が詰まったり、ビビりやすくなる
  • 鳴りが悪くなる

 

まず、フレットと弦の距離が近いので強く弾くと、割とすぐにビビります。

 

そして、季節柄のギターの状況で特定弦がビビってしまったりします。

僕のGUILDも冬だけ3弦がビビります。

 

また、ストロークした時の音がペラくなります。

かなり下げているギターはペラペラ。僕のGUILDもペラペラです。

生音がエレキの生音みたいになっちゃいます。やりすぎには注意しましょう。

◆弦高を低くすべき人

低い場合のメリット・デメリットを記載したところで、低くすべき人について。

弦高が低いと「弾きやすいけど、音の迫力が薄れる」といったところ。

その点も踏まえてオススメできる人は下記の2パターン。

Point

  • アルペジオ中心でストロークは控えめな人
  • テクニカルなプレイをする人

 

ソロギタリストはみなさん弦高は低めに設定します。

テクニカルなプレイをする人は弦高が高いとさすがに辛いですからね。

アルペジオ中心でストロークをあまりやらない人は弦高を低めにするのもよいでしょう。

逆にストローク中心だと迫力が欲しいので低めは不向きです。

 

大石昌良さんみたいなプレイをしたい人は弦高は低めがいいかな。

ちなみに大石さんもYAMAHAです。LS-36だそうです。

意外と弾き語りが主力のプロミュージシャンってYAMAHAユーザーが多いんですよね。

 

また、ギター慣れしていない人も弦高を低めにすることをお勧めします。

バレーコードの難易度が大分下がるので、挫折しにくくなります。

こちらもやりすぎはよくないので弾き語りで使うなら2.2mm~2.3mmくらいにしておくとよいでしょう。

 

よくソロギタリストの方になると1.8mmとか聞きます。

僕のGUILDが2.0mmジャストですが、ストロークでジャカジャカ鳴らした時の鳴りがペラペラで悪いです。

そこまで下げると、ストロークがしょぼくなり、弾き語りで使うのはちと苦しいです。

秦基博さんの場合

最後は本ブログでよく参考にさせていただいている秦基博さんについて。

ご紹介するのは秦さんのデビュー初期からの愛機「Gibson J-45」の弦高について。

このギター。

秦さんといえば、このくすんだチェリーサンバースト色のJ-45。

さて、このギターの弦高設定はというと…12フレットの6弦で2.5mm!

 

コメントとしては弦高低めにセッティングされていると記載されていますが、まあ普通。

 

このJ-45はストロークにアルペジオに万能な活躍を見せています。

やはり、2.5mm前後が万能に活躍できてバランスの良い弦高と言えるでしょう。

 

また、秦さんのJ-45はナローネックと呼ばれるネックが細い仕様です。

ナローネックでパワーがやや弱いそうですが、弦高ではなく弦の太さで補っているとインタビューで回答しています。

このように弦高だけでなく弦の太さも合わせて調整するのが理想的。

ギター工房の職人さんとも使う弦を含めて相談をしましょう。

【参考記事】アコギ用ギター弦の選び方check

まとめ

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  • 弦高が高いと鳴りが良いが弾きにくい
  • 弦高が弾くと鳴りが悪くなるが弾きやすい
  • 弾き語りすとは2.2~2.8mmの範囲にしとくのが良い

とまあ、こんな感じ。

複数本のギターを所有してる人は使い分けるってのもいいですね。

ストローク用の弦高がやや高めのドレッドノート型のギターとテクニカルプレイ用の弦高低めに設定した小ぶりなギターとかね。

複数本所有しているプロミュージシャンと違って我々、アマチュアにはやや贅沢な環境ではありますが…。

 

僕の場合はGUILDと別で持っているサブギターのMartinが流行の2.3mmくらいなんですよね。

Taylorに比べるとバレーコードとか押えるのが楽とは感じます。

音の鳴りも悪くはないですし、あれくらいが流行る理由もわかります。

 

適正な弦高を考えて設定する時にはリペアに持って行って自分がどうしたいかを職人さんに伝えるのが大事。

弦高を低くしたいと伝えるよりは低くしたい理由をちゃんと伝えるとよいです。

以前、職人さんと話をした時に

「低くしたがる人が多いけど、話をちゃんと聞くと調整する必要がない人が多い」

と言っていました。

弦高の調整はギターの弾きやすさだけでなく、音の鳴りや1年を通した四季別のコンディションなど総合的な視点が大事です。