SONY MDR-CD900STをレビュー。業界標準機の超定番モニターヘッドホン

SONY MDR-CD900ST

評価:4

ぎたすけ

MDR-CD900STってレコーディング風景とかテレビ番組でもよく映ってるよな

たけしゃん

業界標準になっているヘッドホンだからね。すごく頑丈でモニターしやすいよ
MDR-CD900STの評価
音質
 (4)
付け心地
 (4.5)
コスパ(16,500円程度)
 (4)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • レコーディングのモニターに最適
  • どこのスタジオにも置いてある
  • 軽くて付け心地も良い
  • 非常に頑丈
  • 高音が独特の音でミックスにはやや不向き
  • 業務用で保証期間がない
用途 項目

普段使い
普通に使えるが
音にややクセがある
マイクを設置しているスタジオ
DTM
モニター用途に最適
MIXはやや不向き
ライブ配信している人のイラスト
ライブ配信
モニター用途に最適
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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SONY MDR-CD900ST

SONY MDR-CD900ST
型式密閉ダイナミック型
ドライバー径φ40mm、ドーム型
プラグ6.3mm
インピーダンス63Ω
重量200g
公式サイト

業界標準のモニターヘッドホン SONY MDR-CD900ST

どこのレコーディングスタジオでも、必ずと言っていいほど置いてある定番中の定番製品です。

MDR-CD900STはハウジングシールが赤なので、通称「赤帯」とも呼ばれています。

SONY MDR-CD900ST
SONY MDR-7506
MDR-7506。通称「青帯」

僕も宅録のモニターヘッドホンとして、15年ほど使っています。

本記事はその経験から音質や使い勝手を細かく解説していきます。

たけしゃん

15年も使ってるのでMDR-CD900STの写真がボロボロなのは許してください

まずは製品仕様から説明していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<MDR-CS900STをレビュー>を参照ください。

製品仕様の目次

ドライバ径 40mm

SONY MDR-CD900ST

MDR-CD900STはドライバ径は40mmのドーム型が採用されています。

1万円近辺のヘッドホンだと、よくある普通のドライバー径です。

周波数特性は5~30,000Hzとやや広めの設定になっています。

音の特性は高音域が独特で歌や楽器の音をモニターしやすい音作りになっています。

密閉ダイナミック型

MDR-CD900ST

MDR-CD900STは密閉ダイナミック型のヘッドホンです。

遮音性の高いオーバーイヤータイプのイヤーパッドで音漏れもなく、レコーディングでの使用に適しています。

オーバーイヤー

耳を覆うタイプのイヤーパッド。遮音性が高い

イヤー部分は90度に反転させることが可能です。

SONY MDR-CD900STのイヤーパッドを反転させた

横回転させたり、折り畳むことはできません。

なお、イヤーパッドは単品で販売されており、ボロボロになったら交換できます。

SONY MDRシリーズのイヤーパッド

僕も約15年使っている中で3回交換しています。

サイズは10段階可変

MDR-CD900ST LR表示

MDR-CD900STは頭のサイズに合わせて10段階でサイズ可変できます。

左右独立してサイズ感を変えられるので、自身の頭に合うサイズに可変させましょう。

10まで上げれば、かなり大きいので頭が大きくても入らない人はあまりいないでしょう。

側圧も程よいレベルで長時間付けていても疲れません。

6.3mmプラグ

ステレオ標準プラグ

MDR-CD900STは6.3mmプラグが採用されています。

業務用と言うことで、3.5mmの変換アダプタなどは付属していません。

ヘッドホン端子 3.5mmと6.3mm

コードの長さは2.5mとやや長めになっています。

自宅で使う分には余るほどで、短くて困ることはほとんどないでしょう。

MDR-CD900ST

なお、付属品などは何もありません。

また、業務用なので保証期間もありません。初期不良対応以外は全て有償です。

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SONY MDR-CD900STをレビュー

SONY MDR-CD900ST
MDR-CD900STの評価
音質
 (4)
付け心地
 (4.5)
コスパ(16,500円程度)
 (4)
総合評価
 (4)

それでは、MDR-CD900STを細かくレビューしていきます。

はじめにメリットとデメリットを箇条書きでまとめたものがこちら。

メリット
デメリット
  • レコーディングのモニターに最適
  • どこのスタジオにも置いてある
  • 軽くて付け心地も良い
  • 非常に頑丈
  • 高音が独特の音でミックスにはやや不向き
  • 業務用で保証期間がない

僕自身、ずっとMDR-CD900STを使ってきて不満を感じたことはほとんどありません。

一方で色んなヘッドホンと聴き比べしてみると、独特な音であることも間違いないですね。

初心者の方はMDR-7506を選択するのが間違いないかなと感じます。

製品レビューの目次

モニターに適した独特な音質

MDR-CD900ST

MDR-CD900STはクリアで音の解像度が高いヘッドホンです。

音の分離も良く、輪郭もクッキリしているので各楽器の音がちゃんとバラけて聴こえます。

また、高音がやや独特でいわゆるドンシャリな音になっています。

ボーカルやアコギ録りではアタック音や空気感まで伝わるので演奏しやすいですね。

AT4040でレコーディングしているところ

MDR-CD900ST 1台で全部こなすというよりはレコーディングや配信でのモニターとして使うのが有効です。

僕もMDR-7506と併用していますが、レコーディングのモニターはMDR-CD900STのほうがやりやすいです。

SONY MDR-CD900ST

僕は録音からディレクションまでMDR-CD900STでやって、ミックス・エディットはMDR-7506に切り替えてます。

ミックスやリスニングはやや不向き

FLEXISPOT E3に機材を載せた

MDR-CD900STは音が独特なこともあり、ミックスやリスニング用途はやや不向きです。

僕もミックスやリスニングでは、フラットな特性のMDR-7506を使っています。

SONY MDR-7506

やっぱり、色んなヘッドホンと聴き比べてみても、MDR-CD900STの音は独特です。

モニターヘッドホン 6台
いっぱい借りて聴き比べてみた

ただ、ミックスやリスニングで全く使えないかというと、普通に使えます。

よりベターなモニターヘッドホンがあるというだけです。

シンガーソングライターなど、デモ音源や弾き語りのミックスだけやる人はMDR-CD900STだけでも問題ないです。

僕もMDR-CD900STだけでやってる時期が長かったです。

FLEXISPOT E3なら立って歌のレコーディングができる

ただ、より良い環境を作るならミックス・リスニングは別のヘッドホンを用意するのが良いですね。

非常に頑丈で付け心地も良い

MDR-CD900ST LR表示

MDR-CD900STは業務用の定番製品だけあって、非常に頑丈です。

僕もかれこれ15年くらい使ってますが、イヤーパッドを数年に1度交換してるだけで使えてます。

SONY MDR-CD900STのイヤーパッドを反転させた

仮歌などで毎日使いこんでましたが、本当に頑丈で助かってます。

本体が200gと軽く、側圧も緩めなので長時間付けていても大丈夫なのも良いですね。

SONY MDR-CD900ST

こうやって使いこんでみると、業務用で定番になるのもよくわかります。

パーツもバラで全部売ってるので、断線してもはんだ付け持ってれば、自分で直せますしね。

競合製品との比較

製品SONY MDR-CD900ST
MDR-CD900ST
SONY MDR-7506
MDR-7506
audio technica ATH-M50x
ATH-M50x
メーカーSONYSONYaudio technica
ドライバ径φ40mmφ40mmφ45mm
インピーダンス63Ω63Ω38Ω
特性ドンシャリ寄りフラットフラット
ケーブル着脱不可不可
実売価格約16,500円約10,980円約19,000円
ECサイトAmazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス
公式サイト
Amazon
楽天市場
サウンドハウス

MDR-CD900STの競合製品として、MDR-7506とaudio technicaのATH-M50xを比較してみました。

どれも世界的に有名なモニターヘッドホンですね。

まずは同じSONYのMDR-7506との比較です。

日本ではMDR-CD900STが業界標準ですが、世界的にはMDR-7506が業界標準なんですよね。

SONY MDR-7506

僕もMDR-CD900STとMDR-7506を併用してますが、MDR-7506はフラットで万能です。

完全業務用というわけでもないので、保証期間もありますし、付属品も一通り付いています。

SONY MDR-7506のポーチ
MDR-7506付属のポーチ

そのため、初心者の方や1台目のヘッドホンを買う人はMDR-7506がおすすめです。

続いては、audio technica ATH-M50xとの比較です。

ATH-M50xはフラットで音の解像度も高いので、1台でこなすなら断然ATH-M50xが良いです。

audio technica ATH-M50x

一方で側圧がやや強めで、耳も蒸れるので長時間作業はMDR-CD900STのほうが楽です。

また、ボーカルレコーディングでは高音がクッキリしているMDR-CD900STのほうがモニターしやすいように感じます。

なので、1台で一通りこなすならATH-M50x、レコーディングのモニター用途ならMDR-CD900STを推します。

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SONY MDR-CD900ST まとめ

SONY MDR-CD900ST
  • 長年、業界標準になっているモニターヘッドホン
  • レコーディングのモニターに最適。ミックス・リスニングはやや不向き
  • 業務用で非常に頑丈。パーツもバラ売りされている

ぎたすけ

なんか思ってたよりはおすすめって感じでもないんだな

たけしゃん

そうだね。万能な製品ではないからね。でも、レコーディングのモニターにはすごくいいよ

SONY MDR-CD900STのレビューでした。

万能ではないものの、業界標準機である点は地味に大きいですよね。

MDR-CD900STに慣れておくと、どこでレコーディングしても困らないですしね。

レコーディングのモニターメインで使うなら、非常に良いヘッドホンです。

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