歌に載せる感情について考えよう

こんばんは!たけしゃん(@_tkshan)です。

今日はボーカルの感情の載せ具合についてです。

「もっと感情のこもって歌いなさい」ってよく言いませんか?
でも、歌って感情載せればいいってものじゃないんですよね。難しい。

今日は歌と感情のバランスについて語ります。

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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1. 歌に感情を載せるということ

Live house

歌と感情って切っても切れない関係です。
より歌詞を届けるため、メロディからストーリー感じ取ってもらうために非常に重要なものです。

しかし、歌に感情を載せるって行為自体が難しかったりします。
発声が安定して、ある程度自由に声を操れるようになって初めて感情を載せられるようになるわけです。

そして、歌に感情を載せる方法は気持ちだけではありません。

1-1. 表情

表情と書きましたが、ボディーランゲージです。
ただ、弾き語りで演奏しているとギターを弾いている分、ボーカルより表現幅が狭いです。

その分、表情で表現することが大事です。
目は口ほどに物をいうなんて言いますが、目線や表情は声以上に歌に表現力を与えます。

歌が上手い人って表情豊かですよね。細かいところですが大事なんです。

明るい曲を楽しく演奏している。それだけで10倍よく見え、よく聴こえます。

1-2. 抑揚

歌の強弱です。気持ちが載れば自然と強弱がつくといえばつきますが、やはり考えて抑揚をつけている人に比べると差は歴然です。

抑えるところは抑えて、出すところは思い切り出す。これだけで全然表現力が違います。
また、弾き語りであればギターもコントロールできます。

ギターと歌が連携して強弱をつけることで更に表現力を高めることができます。
弾き語りをやっていると最大音量をどこにするかが非常に重要です。

バンドと違って楽器の足し引きで調整することが難しいです。
予め、どこで一番盛り上げるかを考えて、盛り上がるところまでの展開を意識しましょう。

1-3. MC

いよいよ歌に直接関係ないですが(笑)
雰囲気づくりってすごく大事なんですよ。

MCでどれだけ、雰囲気作って曲に入れるかは大事。
料理も雰囲気よいと、それだけで美味しく感じちゃうわけですが歌も一緒。

MCを適当にやっていた、そこのあなた!ちゃんと曲をよく聴かせるためにも真剣に考えましょう。

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2. 感情を載せるのもほどほどがよい

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歌も慣れてきて感情を載せられるようになりました。
さて、難しいのが載せりゃいいってもんじゃないこと。

料理の味付けと一緒でほどほどがよいのです。
その、「ほどほど」の中でも濃いめと薄めってのがあって、その加減が個性ってもんです。

ほどほどの次元を超えると個性というより聴きづらいという領域になってしまいます。
薄めと濃いめで分けて考えてみましょう。

2-1. 感情が全く載っていないパターン

スーッと流れて行って面白くないやつですね。
みんなスマホいじりだしちゃう。

色々原因はあるんだろうけど、一番多いのは抑揚がないパターンです。
Aメロもサビも全く同じトーン。同じ歌い方。

単純に面白くないです。

2-2. 感情が載りすぎてるパターン

とにかく、くどい。
歌がくどすぎて頭に入ってこないです。

その歌が出す情景や雰囲気がくどさにかき消されて何にも入ってこない。

このパターンも意外に抑揚がない人が多いです。
ただ、感情載せまくってるけど抑揚がないから飽きるんですよね。

そして、くどいところばっかりに耳がいく。

 

3. 客観的に聞いてみよう

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感情の載せ方に問題がないかを考えるには単純に自分の歌を聞いてみることです。
自分の歌を聞いてみて客観的にレビューしてみることが重要。

感情の載せ方にバリエーションをつけて、何パターンか同じ曲を取って比べてみましょう。
感情載せすぎ、感情なさすぎという極端な2パターンを取り比べてみるとよいです。

人様のを聞く分には面白いのですが、自分の歌で上記の2パターンやると本当に聞いてられないです(笑)

自分が好きなミュージシャンの歌をよく聞いて、真似をしてみたりするのもよいですね。

感情の載せ具合を調節して最もほどよい部分を探してみましょう。

 

4. まとめ

歌に感情を載せるには表情など声以外も大事。
そして感情を載せる量はほどほどがよい。薄すぎても濃すぎてもダメ。

ちょうどよい、載せ具合は自分の歌を録音して客観的な視点で聞いてみること。
そして、好きなアーティストの真似をするなど、いろんなパターンを試してみるのがよい。

まとめるとこんなとこ。

感情の載せ方ってプロミュージシャンでも様々。
さかいゆうさんは「リスナーにスーッと歌が入ってくるように感情は載せないようにしている」ってインタビューで答えていました。

さかいゆうさんはプレーンな声に既に表情があるし、抑揚の付け方も非常に上手いので十分感情載ってますけどね。
おそらく、最初から味付けされているので載せる感情は薄めにすることでさかいゆうさんの声質を最大限に活かせるんでしょうね。

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この動画の1時間6分から始まる「君と僕の挽歌」とかストーリー性も見えるし、感情揺さぶられますね。
でも、全然くどくない。すんごく聴きやすい。

ソウルフルって言葉があるでしょ。この演奏って正にソウルフル。
ソウルフルって「感情のこもっているさま」って意味らしい。

でも、感情が載ってるだけじゃ、見ている人はソウルフルって感じてくれないんです。

実は非常に難しいソウルフル。抑揚やリズム、表情。そして声。
体全体で、そして曲全体を利用して表現しなきゃソウルフルにはなれません。

感情載せりゃいいってもんじゃない。
自分にとってベストな歌との付き合い方を探してみませんか?