アコギを買うなら中古?新品? それぞれの特徴・注意点を解説

「ギターを買うときって中古と新品どっちがいいんだろう?」

1本目のギターは基本的には新品を買う人が多いはず。

しかし、2本目、3本目となると新品か中古どちらか迷うことが多くなる。

何故なら、ギターは中古の市場価値が高いジャンルだからです。

ギターにはジーンズと同様に「ヴィンテージ」という概念があります。

また、質の良い中古ギターであれば新品よりも格安に良いギターが手に入る可能性もある。

 

けど、中古ギターは何も知らずに手を出すと失敗することも非常に多い。

本記事では新品と中古の良いところ、悪いところを掘り下げて、その人の状況別にどちらが良いかを解説していきます。

新品と中古の違い

まずは新品と中古の違いについて。

色んな点で異なる部分がありますが、基本的には他のジャンルの新品と中古と考え方は一緒。

それぞれの基本の状態は下記の通り。

  • 新品…未使用で完全な商品。値段は高いが消耗品が消耗しておらず、メンテが楽
  • 中古…製造後、消費者の手に渡り使用された商品。値段は安いが消耗品が消耗していたり、傷があったりする。
注意
上記の新品・中古はギター解説するために書いた状態です。商取引上の「新品」「中古」の定義ではありません。

…でギターにはヴィンテージという中古なのに逆に値段が高いものが存在するので中古は中古でも一括りにはできません。

その点も踏まえて、新品と中古のギターについて解説していきます。

新品のギター

新品のギターは製造されて、まだ未使用で完全な状態なギター。

消耗品である部品も新品なので消耗していない状態。

新品ギターの特徴をまとめると下記の通り。

新品ギターの特徴

  • 本体に傷も少なく綺麗
  • 消耗品の交換がしばらくは不要
  • ギターの状態がフラットで当たり外れが少ない
  • 大抵のギターでメーカー保証期間が1年はある(※)
  • 音が若くてヴィンテージより鳴らない

良いところと悪いところがそれぞれある。

けど、総じていうと品質がある程度、安定していて購入する側としては安心できるのが新品。

中古だと買って半年したら修理が必要になった…なんて話も少なくない。

いくつかピックアップして解説していきます。

品質が安定している

新品ですから、さすがにネックが沿っていたり、フレットが消耗していたりということは基本ありません。

  1. 外れを引く確率が低い
  2. 購入後しばらくは安心してつかえる

この2点が新品の最大の強み。

といっても、家電とかと一緒で外れを引く確率が低いだけで0ではないですが…(苦笑)。

また、ギター本体のパーツとして「フレット」「サドル」「ナット」あたりは消耗品にあたるパーツです。

弾き込むと、どんどんすり減っていって使い辛くなり、ギター工房や修理店に出しての交換やメンテナンスが必要。

【参考記事】アコギのフレットが減ったらすり合わせか打ち直しかcheck

 

しかし、新品であれば使用頻度にもよりますが、メンテナンスが必要になるまでには普通は数年持ちます。

フレットで言うと、新品であれば毎日弾く場合でこんなもんかな。

フレットメンテナンスの目安

  1. すり合わせ 1回目(使用3年くらい)
  2. すり合わせ 2回目(使用5年くらい)
  3. フレット交換(使用7年くらい)

好みですりあわせ2回目の時点でフレット交換するかなって感じ。

新品であれば、しばらくはメンテの心配が不要ってのが強い。

ギターの保証期間

どこのメーカーも新品であれば1年はメーカー保証がついています。

MEMO
メーカーによって異なります。正規輸入品のMartinは3年。事前に確認しましょう。

中古だと3か月か6か月。販売店の保証がついてます。

また、「Gibson」「Epiphone」「K.Yairi」は永久保証となっています。

永久保証対象はワンオーナーです。

新品購入時にギターオーナーの登録をすることで永久保証の対象となれます。

つまり、中古での購入者は対象外。

永久保証を受けたい人は新品購入以外の選択肢はありませんので注意しましょう。

ただし、永久保証といっても消耗品は対象外。適切な環境・使用方法で発生したものに限る。

ということで、そんなに活用できるわけではないようです。

口コミで使用者に聞く限り、K.Yairiはかなり親切・丁寧な対応してくれるみたいです。

…が過度な期待はしないようにしましょう。

音が若くてヴィンテージより鳴らない

新品のギターは音が若い、固いと言葉では表現し辛いですが鳴りはヴィンテージに負けることが多い。

このあたりは実際にGibsonやMartinの新品ギターと1960~70年代のヴィンテージギターを弾き比べてみると良いでしょう。

僕自身もギター探しをしている時にGibson J-45を弾き比べました。

やっぱり、ヴィンテージのほうが断然音が良いです。

といっても、新品でもカスタムショップ製のものや価格の高い上位機種はヴィンテージに負けないものも、たくさんあります。

MEMO
カスタムショップ製…大量生産される通常の物と異なる、ハンドメイド品。木材や仕様も通常品とは異なる事が多く、値段も高い

中古ギター

続いては中古ギター。

中古ギターといっても、大きく2つに分かれる。

  • 年代の新しい中古ギター
  • ヴィンテージギター

どちらが良いか?というと、どちらにも良いところ悪いところはあります。

共通して言えることは「当たり外れが激しく、外れの方が多い」ということです。

そんなわけで、それぞれの特徴を記載した上でチェックするポイントもご紹介していきます。

年代の新しい中古ギター

中古ギターと言えばヴィンテージ…と思われる方も多いです。

ですが、年代の新しい中古ギターって実は魅力がいっぱいあります。

特徴としてはこんな感じ。

年代の新しい中古ギターの特徴

  • 価格が新品の2~4割程度安い
  • 特定年代限定仕様のギターが選べる
  • 初めから必要なものがついてることが多い

年代の新しい中古ギターの一番良いところは「価格が安い」こと。

新品のギターと比べて、同じ予算で1~2ランク上のギターに手を出すことができます。

例えば僕が使っている、Taylor 814CE。販売価格を見てみると…。

  • 新品…45~50万円程度
  • 中古…30~35万円程度

814ceで言えば、中古は新品の価格から35%~40%引きくらいということになります。

 

また、特定年代限定仕様のギターについても同じく814ceで解説します。

Taylorのギターは今でこそ、Taylor社独自のESピックアップを搭載していますが、2002年まではFishmanの特別仕様のデュアルピックアップが搭載されていました。

中古ギターを選択するのであれば、ESでもFishmanでも自分が使いたいギターを選択できます。

僕はFishman搭載モデルが欲しかったので2002年までに製造されたギターを探しました。

【参考記事】Taylor 814CEをレビュー。7年以上使い込んだ感想をお届けcheck

 

最後に記載した「初めから必要なものがついている事が多い」についても、年代が新しいのでストラップピンやピックアップが初めからついていることが多いという話です。

ヴィンテージだと大半は別途ギターに取付工事をする必要があります。

ヴィンテージギター

続いてヴィンテージギター。

響きが既に夢がある感じですが、MartinやGibsonのヴィンテージギターを1本は使ってみたいもんですよね。

早速、特徴ご紹介していきます。

ヴィンテージギターの特徴

  • 値段が高い
  • ギターの鳴りが良い
  • 購入後にオプション取付工事やメンテが必要なことが多い
  • ウェザーチェックだらけなものが多い

ヴィンテージギターは値段が高いです。

こちらも、よくあるパターンでGibson J-45で見てみると…。

  • 新品…25~30万円
  • 1970年代物…25万円~30万円
  • 1960年代物…40~45万円
MEMO
ヴィンテージは状態によって値段が10万以上変わります。ここでは標準的な価格帯を選びました。

やっぱり、1960年代物って高いですね。

でも、音が抜群なんですよね。

年代はわかりませんが、星野源さんが使っているJ-50の音は本当に良いんですよ。

いやぁ…素晴らしく良い。

新品とヴィンテージ弾き比べるとギター本体が鳴っている度合いが違って感じます。

 

ただし、そんなヴィンテージギターは価格以外にもネックな点が多い。

製造年代が古いので、ストラップピンは大半ついてないし、ピックアップも搭載されていることも稀。

だから、ライブでバリバリ使うのなら購入後に取付工事する必要があります。

ストラップピンはこれのこと。

また、ヴィンテージギターは初めからウェザーチェックが凄いものが多い。

MEMO
ウェザーチェック…塗装が剥がれかけて細かくひび割れしている状態のこと(下記の画像を参照)

それが逆に良い人もいるんですけど、このへんは好みです。

星野源さんも動画のアコギはヘッドの一部が塗装剥がれて木材むき出し。

John MayerのフェンダーBlack1もBodyの塗装剥がれてむき出し。でも、逆にそれがカッコよい。

ヴィンテージを選ぶかはその人の価値観も重要になってきます。

中古は消耗品のチェックが大事

中古ギターを買う際は消耗品のチェックを行い、そこも込みで予算を考えましょう。

新品ギターと異なり、以前に誰かが使用したものなので消耗しているのが普通です。

チェックしておくべき消耗品は下記の3点。

  • フレット
  • ナット
  • サドル

といっても、これが中々難しい。

まず、自宅のギターを日頃から観察してみておきましょう。

フレットは確認するところは高さです。特に1~3フレットあたり。

これが結構減っていると、そう遠くない未来にフレットを「すり合わせ」もしくは「交換」が発生します。

続いて、ナットとサドル。

これも、溝が深くないかちゃんと見ましょう。弦を緩めた状態にして弦を外して確認しましょう。

溝が深い場合はこちらも遠くない未来に音がビビり始めて交換する必要が出てきます。

 

パッと見て判断するのは難しいので新品のギターを1つ持ってきてもらって比べるとよいです。

 

中古ギターの市場では相場より大分安いギターが存在します。

大抵は傷が酷いか消耗品が相当すり減っているかのどちらかです。

特に消耗している場合は買ってすぐに修理が発生して修理代と本体価格を合わせると相場より高くつくというパターンはありがちです。

消耗品が減っているものを購入する場合はトータルコストで考えるようにしましょう。

新品と中古どっちがよいの?

それでは新品と中古どっちがよいのか?を考えます。

結論から言うと人によります。

プロミュージシャンとなるとライブ用に比較的年代の新しいエレアコを使って、レコーディング用はヴィンテージギターを一切改造せずに用いる。

といった使い分けしていることが結構あります。

【参考記事】プロミュージシャン50人の使用ギターとメーカーを調べて、まとめてみたcheck

アマチュアだと中々、そんな贅沢な環境を作れません。

妥協するところは妥協して、何が大事かを決めて選択することが重要です。

新品ギターが向いている人

新品ギターを選択したほうが良い人をザックリと解説していきます。

まずは一覧にしてみましょう。

新品が向いている人

  • 初めてギターを買う人
  • ギター1本で運用する人
  • 音や消耗品を見分けられない人

上記に当てはまる人は新品を買ったほうが良いでしょう。

他にも見た目や予算感など、人それぞれの都合があるとは思います。

一言で言うと、無難なのは新品だから背伸びして中古に手をださない方が良いということです。

それでは上記の3項目を掘り下げて解説していきます。

初めてギターを買う人

中古ギターは年代が新しいギターも含めて、メンテナンスや修理が発生する頻度は新品より高いです。

初めてギターを買う人にとって重要なのは「ギターに気軽に触れる環境」です。

ギターはコードを押さえられるようになって、ある程度弾けるまでは苦行が続きます。

そんな時に本体が故障した…となると修理も面倒になって、そのまま引退ともなりかねません。

初めてギターを買う初心者は品質が安定した新品のギターを買いましょう。

【参考記事】初心者が初めてアコースティックギターを購入する際の選び方check

ギター1本で運用する人

ギターの腕が成長して、人前で演奏するようになるとギターを複数本所有している人が多いです。

それは突然、ギターが故障した場合などにも対応できるようにするためです。

といっても、趣味でやっている分には1本で運用したって全然かまわない。

ただ、1本で運用するなら品質は安定していたほうが良いですし、修理が発生する頻度も抑えたい。

修理中は手元にギターなくなっちゃいますからね。

 

なので、「この1本を使い倒す!」という意気込みの人は新品がオススメです。

中古ギター、特にヴィンテージギターは長年使うのにはメンテナンスが重要になってきます。

プロミュージシャンが長年使えているのはメンテナンス専門の方がついているからです。

音や消耗品を見分けられない人

中古ギターの市場は非常に大きいです。

当たり外れも激しい。

何より、中古ギターは外れの方が多い。

 

違いが分からない人が手を出すと、外れのギターを弾く可能性のほうが高いです。

見分ける自信がない人は新品を買ったほうが安心できます。

見分けられる人に頼るというのも一つの手ですが、僕はあんまりオススメしません。

結局、良いギターなんて人それぞれ。

周りが良くないと思っても本人がモチベーション高く弾き続けられるギターであれば、そのギターはその人にとって間違いなく良いギターになりますからね。

中古ギターが向いている人

続いて、中古ギター向いている人。

こちらも初めに一覧で出します。

中古が向いている人

  • コレクターの人
  • 安定したギターを持っている人
  • ヴィンテージギターの見た目が好きな人

この3つ。

コレクターの人はそのまんま。

特定年代のギターを集めている人は中古ギターで探すしかありません。

一般的なプレイヤーで考えると他の2つが重要。

というわけで、掘り下げて解説していきます。

安定したギターを持っている人

中古ギターは当たり外れが多く、むしろ外れが多い。

なので、急いで探しても良いことないです。

また、メンテナンスの頻度もそこそこ高いので中古ギター1本に依存すると結構辛い。

だから、安定して使用できるギターを持っている状態でじっくり探して検討するのが一番良いです。

 

タイミング的には初めて買ったギターを使い倒し、2本目のギターを買った。

2本目のギターも使い込んで困っていないけど、1本くらいヴィンテージギターやワンランク上のギターを買ってみたい。

このパターンが一番リスクがなくて理想。

ヴィンテージギターの見た目が好きな人

ヴィンテージギターって前述のウェザーチェックのように何十年という経年変化によるルックスの特徴があるんですよね。

色合いも塗装では出ない経年変化があったりします。

例えば、秦基博さんの愛用している1966年製のGibson J-45です。

このギターは本来はフェイデッド・チェリーサンバーストという赤みがかった色。

ですが、秦さんのギターは経年変化でナチュラル色に限りなく近いチェリーサンバーストになってて逆に渋くてカッコいい。

こういった、経年変化は新品では出せません。

このように経年変化で見られるルックスのギターが欲しい人はヴィンテージギターに手を出すしかありません。

ギターのルックスって結構な印象です。

自分のミュージシャンとしてのキャラクターをセルフプロデュースをする際に自分の音楽性と照らし合わせて検討しましょう。

まとめ

  • 無難な選択肢は新品を買うこと
  • 中古は消耗品の消耗具合をちゃんとチェックすること
  • 1本安定したギターを持っている状態で中古に手を出すのが良い

こんなところ。

結局なところ、正解なんてもんはない。

初めから中古ギターに手を出して成功した人もいれば、失敗した人もいるだろうし。

ヴィンテージギターの音質が良いのは間違いないけど、使い勝手やルックスも重要です。

ギターの世界だと、とかく音質が重視される。

確かに音が良いとテンション上がる。

だけど、使い勝手やルックスってそれ以上に弾き手のモチベーションに直結する大事な要素。

金額やイメージだけで選択しないように広い視点を持つことが重要です。