仮歌とは ~ボーカルの副業~

こんばんは!たけしゃん(@_tkshan)です。

今日はボーカルの代表的な副業である「仮歌」について、ご紹介していきます。

昨今ではAKBなどの影響もあり「仮歌」という仕事をご存知の方も増えたのではないでしょうか。

ボーカルやシンガーソングライターの副業としてパッと思いつく仕事でもあります。

nanaなどのアプリが増えて、自宅での歌録り環境ができている人も増えてきた時代です。

以前より興味を持っている方も多いと思うので、経験者としてご紹介させてもらいます。

1. 仮歌とは

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仮歌とはどこぞのプロミュージシャンに楽曲を聴かせるにあたり、事前に「仮」のヴォーカリストに歌ってもらうことです。大きく分けて仮歌は2パターンあります。

1-1. 楽曲コンペティション向けの仮歌

自身で作曲しないアーティストは事務所を通して、作曲家事務所などにコンペティションという形で楽曲提供を依頼します。コンペティションには大量の楽曲が集まり、その中から選考されるわけですね。

その際にコンペティションに参加する作曲家は少しでも、自分の曲のイメージを掴んでもらえるようにわざわざガイドメロではなくボーカルを入れるのです。ただ、歌が上手い作曲家なんてそうはいませんし、性別が異なれば対応も難しいため、ボーカリストに仮で歌入れを依頼するわけです。

最近のコンペ市場ではガイドメロやボーカロイドでは駄目という暗黙のルールがあるそうで、仮歌の需要が高いというわけですね。

副業など仕事として依頼があるのはこのパターンです。

発注者と作曲家の間に機密保持契約を結ぶため、作曲家はどこぞの事務所に所属していないと依頼が来ないものです。

ですが、作曲家と仮歌依頼者間の話で言えば自作曲を渡すだけだから、発注者の機密情報が洩れることもなく個人間でのやり取りが可能です。

よって、このパターンはボーカルとしても個人で受けられるし、次に紹介する仮歌パターンと異なり副業として成立しやすいわけです。

1-2. アーティストが歌を覚えるための仮歌

上記の楽曲コンペで勝った曲は再度、プロデューサーやディレクターからメロディーの直し、本歌詞の採用、再編曲などの工程を経て、アーティストに提供されます。

ここでもまた、アーティストが曲を覚えるために楽曲コンペから修正された曲の仮歌を担当する方がいるそうです。

こちらの仮歌は基本的に紹介制で事務所を通してしか依頼はないです。一般公募されることはまずないでしょう。

メジャーデビューされている方やどこかの事務所に所属されている方が選ばれることが一般的です。

この段階までくるとリリースする楽曲情報を仮歌を担当する人に渡す必要があるので、発注者と仮歌者の間に機密保持契約もなされるでしょうから、事務所を介するように…とメーカーも考えるだろうし、一般ユーザーに依頼するわけにはいかない事情が多々あります。

ちなみにこんなことするレベルのアーティストってAKBとか本当に最大手だけだと思います。
地下アイドルとかだとお金の関係で雇えないでしょって話になってきます。機密保持うんちゃら…みたいな書類作ること自体も規模自体が大きくないとちゃんとやれないしね。

ただ、最近はアイドルの人気がますます高まっていて、音楽業界内でも最大の商業規模もなので、このような仮歌業務が多く発生されるようになったのでしょうね。

2. 仮歌はどうやって依頼されるのか

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一番、気になるところですよね。仮歌をやりたい!って言っても、どうしたら依頼が来るのか。

今は仮歌という仕事にもスポットライトが当たる時代なので、色々あるみたいですね。

2-1. 知人からの紹介

まあ、なんだかんだでお互いに一番安心できるのが知人からの紹介です。

僕も知り合いの作曲家に仮歌入れてくれる女性ボーカルを紹介してくれと頼まれたことが何回かあります。

紹介する側もあんまり下手な人は紹介できないですしね。
また、作曲側は自身の著作物を一時的に渡すわけで、どこの馬の骨かもわからん人に渡すのは抵抗があるわけで。

紹介者がちゃんとした人なら人柄もある程度は信頼できますから、作曲家側から見て一番安心できるパターンとも言えます。

2-2. ライブなどでの勧誘

作曲家の人がライブを見に来て勧誘されるパターンです。ただし、ライブといってもブッキングライブではないです。

専門学校の発表会や地元やレコード会社主催のイベント等のボーカルが多数出るイベントです。

簡単に言えば低コストで大量の人材を見ることができて、かつクオリティが一定以上な人が少なからずいるであろうイベントです。

専門学校の発表会は大抵は無料で入れるの無料で大量の人材を見ることができます。その代わりクオリティが一定以上の人は30名位いる中で1~2名くらいではあります。

僕も仮歌シンガーを探している作曲家に頼まれて一緒に専門学校の発表会を見に行ったことがあります。

だから音楽専門学校に行っている方で何かしら仕事を求めている方はこういったイベントは大事にしたほうがいいよってことですね。

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2-3. インターネットの募集サイトに応募する

最近はむしろ、これが主流なのかもしれません。
サイトを調べてみたら、Alpha enterprise仮歌専門サイト かりうた君など仮歌という仕事をしっかり、ビジネス化したサイトがいっぱい出てきます。

しかも、普通のバイトルなどの求人媒体に仮歌という仕事が出てきます。いやー、すごいな。

僕が仮歌やった時は知人からの紹介ばかりだったので、当時インターネットで仮歌の仕事を探そうなんて思ったこともなかったですね。

3. 仮歌の流れ

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仮歌の仕事はどんな感じなのでしょうか。

僕の受けたものでしか、語れませんが3~4人の方から依頼を受けていてみんな同じようなもんだったので、流れは一緒だと思います。

3-1. 依頼の予告がくる

大体、当日か前日夜ですが依頼がきます。

「今日の夕方くらいに音源送るから、今日中に歌を入れて返してもらえないかな?」

こんな感じ。余裕があるパターンでも朝に音源きて、当日中提出くらいですね。間違いなく言えることは毎回、依頼から締め切りまでほとんど時間がありません。

作曲家側もコンペ開催通知から締め切りまで1週間あればいいほうらしいです。すごいタイトなスケジュールですね。

3-2. 音源が送られてくる

大半は送られてくるファイルは下記の3点です。

  1. ガイドメロディー+伴奏が入った音源
  2. 伴奏のみの音源
  3. 歌詞(仮歌詞が設定されている場合のみ)

人によっては楽譜をつけてきたり、歌メロがガイドメロではなくご自身で歌ったものだったりはします。

伴奏も作りこまれてはいません。リズムと最低限のコード楽器くらいです。

サイズはワンコーラス分です。あまりフルコーラスを依頼されることはありません。

3-3. レコーディング

ご自身でレコーディングできる環境があればご自身で。
そうでなければ、作曲家さんと一緒にスタジオに行くことになるでしょう。

大体がAメロ、Bメロなどに分割して、2~3本レコーディングします。後でディレクレションするため、またダブル(ヴォーカルを重ねて厚みを出す手法)で使うことも考慮し、同じメロディーを数本録ることが多いです。

コーラスも録る場合もありますので、その場合はコーラスも一緒に録ります。
レコーディング時間はコーラス無しなら30分~1時間。コーラス有だと1~2時間ですかね。

もちろん、ボーカルの技量が高ければ短い時間で済みます。
作曲家側からすれば、自身で録音してメールで送ってきてくれるボーカルだと歌録りの稼働が全くかからないので大変助かります。

自身で録音できない場合はレコーディング時間が短く済むボーカルがもちろん好かれますので、仮歌の仕事をいっぱいやるのであれば、ピッチやリズムはしっかりトレーニングしましょう。

4. 仮歌をやるメリット

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バイトとして仮歌をやると、もちろん練習にはなります。
それ以外で、どのようなメリットがあるのでしょうか。

4-1. 報酬を得ることができる

仮歌をやることで報酬を得ることができます。
金額については人によります。僕は1曲、2000円くらいでした。コーラス有だと3000円というとこでしょうか。

今の求人を見ると、もうちょっと高めの設定になっているところが多いです。
まあ、どちらにしろお小遣い程度です。

よほど、仕事量を抱えたとしても、仮歌だけで生活していくのは困難でしょう。
なので、報酬をお金でもらうのではなくスキルで提供をしてもらうというのも有効な手段です。

例えば…
・自分の曲を編曲してもらう
・自分のライブで楽器サポートをしてもらう
・曲を提供してもらう

などですね。

普通に考えれば上記の行為をしてもらうと、仮歌のバイト代では釣り合わないです。しかし、作曲家はお金がない人が多いので、等価以上でも出費を避けるためにスキル提供を選択する人が多いです。

このあたりは今の自分に必要なものを考えて選択しましょう。

求人から得た仕事はもちろん、金銭面での報酬しか得ることはできません。スキル提供してもらう場合は法人を通さず、個人間でやる必要があることも認識しておきましょう。

4-2. 自分の仮歌が本採用される可能性がある

仮歌の求人には必ず書いてある、決まり文句です。本当にそんなことあんの?と聞きたくなりますが、あるんです。

こちらのブログですね。
maoココロのよりどころ 仮歌というお仕事 

ドラえもんの曲のコンペで仮歌をやったら本採用された。という事例です。
まあ、正直このようなことは奇跡のようなお話ですが、本当にあることが証明された貴重な事例です。

ただ、ドラえもんという国民的アニメだったからこその事例な気がしますね。

例えば、これがAKBのコンペだったら万に一つもこんなことは起こりません。国民的アニメなどの特別なコンペにだけ発生する可能性がある事例でしょう。

5. まとめ

  • 仮歌にはコンペ用の仮歌とアーティスト用の仮歌が存在して、副業で依頼がくるのはコンペ用。
  • 仮歌の依頼は誰かの紹介が一番多い。最近はネットでバイト求人的な感じで出ていたりもする
  • 仮歌録りは時間がない。ピッチやリズムが正確な人やボーカル自身で歌録りができる人が重宝される
  • 仮歌入れの報酬はお金でもらうだけでなく、スキル提供してもらったほうが良い場合が多い

今回はボーカルの副業として、仮歌というお仕事を紹介しました。

今や仮歌の依頼すらインターネット上で探すのが定石となったんですね。特に法人がサービスとして仮歌を提供しているところも増えたのには驚きました。

既にこういったところでは音楽のビジネススタイルが大きく変化しているということですね。こういったビジネススタイルの変化に非常に興味深いものを感じました。

作曲家とボーカリスト。
お互いに気っても切れない関係ですし、協力しあうことで生まれるメリットは非常に大きなものです。

仮歌やるとピッチやリズムの重要性も凄く感じるようになります。自分で歌っているだけじゃ気にしなかったレベルを作曲家さんは大抵気にしますからね。

いわゆるディレクションってやつですが、他人から指摘されることで気づけることは多いです。

仮歌という仕事はお小遣い稼ぎにもなりますが、スキルアップや人脈作りにも非常に役立つものです。

お話をもらった人は是非、一度チャレンジしてみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

たけしゃん

アコースティックギターによる弾き語りを中心に音楽を愛するアラサーのサラリーマン。20代はギターを片手にシンガーソングライターとして東京都内で音楽活動に精励。
30代になって音楽と仕事(サラリーマン)の両立を模索中。